松平定信の子孫たちと激動の幕末・維新!

 

寛政(かんせい)の改革の主導者松平定信(まつだいらさだのぶ)。

彼の子孫もまたそれぞれに数奇な人生をたどった人は多いです。

さあ、英雄の子孫たちを追ってゆきましょう!

松平定信の嫡流、桑名藩の定教(さだのり)

松平定信の嫡流は伊勢桑名藩主(現在の三重県桑名市)として続いてゆきます。

定信のひ孫定教の時に幕末をむかえます。

ただ、定教はこの時まだ幼少であったため藩主に就くことなく、
替わりに先代の養子となっていた定敬(さだあき)という人が就いておりました。

この定敬という人は高須四兄弟の一人として知っている幕末ファンも少なくないと思います。

何せこの頃、桑名藩といえば幕府方大名の中でもトップクラスの強さ!

この人も最後の箱館戦争まで戦い抜き、上海へと逃亡を試みます。

ともかく、本題の定教です。

彼は鳥羽伏見の戦いの時、まだ満10才。

桑名の留守を預かっておりましたが、勝利した新政府側に降伏。
桑名城を無血開城いたします。

やがて定敬も上海逃亡に失敗し、横浜に戻り降伏。

家督は定教が継ぎますが、”廃藩置県”
とうとう桑名藩松平家は事実上の解体。

定教は横浜やアメリカで英語の勉強に励み、やがてイタリア公使館に書記官として働くことになりました。

文明開化の新しき世にその身で貢献してゆくことになるんですね。

幕末から維新に重要な役割を果たした板倉勝静(かつきよ)

定信の数多い孫の一人に板倉勝静(かつきよ)という人がいます。

この人は備中松山藩(現在の岡山県高梁市のあたり)主として相当に有能であったようです。
産業を活発に興し、藩の借金をなくすどころか、余財すら築き上げました。

やがて、幕府の重要ポストに就きますが、時の大老(たいろう。今の内閣総理大臣のようなもの)はあの井伊直弼(いいなおすけ)。

安政の大獄の人ですね。

まさに「幕末の井伊の赤鬼」!
自分のやり方に異を唱える人たちにはどこまでも容赦がございません。

ですが、勝静はけなげにも
「あんたはやりすぎだ」
とばかりに寛大に事に当たろうとします。

これが井伊の気に触れてしまったらしく、幕府の職をクビになります。

ただ、間もなく井伊が桜田門外で暗殺され、
勝静は復帰し、やがては老中首座(ろうじゅうしゅざ。今の内閣総理大臣かそれに次ぐぐらいの政府のえらいさん)にまで出世いたします。

時は風雲急を告げ、世に討幕の嵐が吹き荒れる中、
大政奉還に尽力。

さらに、鳥羽伏見の戦いの後、徳川慶喜(とくがわよしのぶ。江戸幕府最後の将軍)の開陽丸(かいようまる。幕府起死回生の切り札になるはずだった最新西洋式軍艦)での逃避行に同行しております。

やがて、いまだ幕府を立て、新政府に反抗しようとする東北・新潟諸藩の連合体、奥羽越列藩同盟(おううえつれっぱんどうめい)の参謀をうけたまわります。

東北での戦いに敗れて、五稜郭(北海道函館市にある星形の要塞。戊辰戦争最後の戦いが繰り広げられた)まで入ります。

が、戦前に家臣に無理やり説得され、江戸まで連れ戻され、やがて新政府に自首します。

終身刑とされますが、やがて許され、第八十六国立銀行、つまり現在の中国銀行の前身を設立いたしました。

真田の六文銭を継いだ名君真田幸貫(ゆきつら)

松平定信の側室の子どもです。

幸貫が養子に入った真田家とはあの”六文銭”で有名な真田です。

この人も大変な名君であったようです。

幸貫は西洋の学問を藩に奨励いたしますが、その中で頭角を現した藩士にあの佐久間象山(さくましょうざん)がおります。

象山は天才的な兵学者・思想家として激動の時代の日本をリードいたしました。

幸貫はほかにも、
藩内の産業を興したり、
文武の道を広めたり、

と多大な功績を残します。

きょうのまとめ

こう見るだけで実に多士済々!
そして、歴史の大河にしっかりと息づいていますね。

① 松平定信の嫡流の子孫松平定教は幕末にあって新政府に降伏。維新後、英語を勉強してイタリア大使館で働くようになった

② 松平定信の孫板倉勝静は幕末に老中首座にまで上りつめ、維新後には中国銀行の前身を設立した。

③ 松平定信の側室の子真田幸貫は真田家を継ぎ、藩内から佐久間象山を育成、輩出するなど、大変な名君ぶりを発揮した

いかがだったでしょうか。
さすがに名門であり、また、英邁(えいまい)の血が流れておりますね。

そしてここには描かれないもっと多くの子孫たちの歴史が今も脈々と受け継がれているのでしょう。

そして、私たち一人一人もみんなそれは変わりません。
みんな歴史の主人公です。

 

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