トランプのハートのキングのモデルを知っていますか。
“ヨーロッパの父”と呼ばれた男です。
フランク王国の王様で、まわりのたくさんの国や部族の脅威(きょうい)に積極的に対抗。
王国の領土をヨーロッパのかなりにまで広げました。
そして、ただ戦争に強いだけではありません。
王国内の学問の発展にも一生懸命取り組みます。
そして、キリスト教にとてもマジメです。
イスラムや東ローマ社会から「田舎もの」「野蛮」とバカにされていたヨーロッパ社会を変えた
英雄カール大帝。
そんな彼の
●性格がよくわかる
●同じ人間としての苦労がにじむ
名言集を紹介します。
タップでお好きな項目へ:目次
カール大帝名言集
正しい行動は知識だけより
カール大帝。
大帝なんだから、若いころからものすごくインテリだったと思っているのでは。
いや、そういうわけではないんです。
特に字を書くのがとても苦手。
こんな記録も残っていますよ。
家来アインハルト様。
じかにお口には出していないのかもしれませんが、なかなか辛口ですね。
今の若いあなたの勉強も大変だけれど、この人は大人になってから、それももともと字もちゃんと書けないところから、こんなにがんばっていたんです。
そして、カール大帝は、
●ラテン語でしっかりおしゃべりができるほど
●ギリシャ語を聞き取れるほど
のレベルにまで到達したのです。
カール大帝はさほどインテリじゃなくても若いころから度重なる戦争などでしっかり結果を出しております。
でも、その戦争とは何のためにあるのか。
国王としてやる政治とはなんなのか。
いろいろと考えなければなりません。
●経験や勘
●科学や教養
どちらか片方じゃなくて、“両方あってこそ意義がある”というカール大帝の思いのつまった言葉です。
ふたつの言語を持つとは
(出典https://meigen.club/charlemagne/)
カール大帝はイタリアのローマ教皇とは“カールの戴冠(たいかん。※1)”などでいろいろと協力関係にありました。
今のトルコやギリシャなどを治める大国東ローマ帝国の女帝エイレーネ―と結婚し、「ローマ帝国」を統一しよう、という話が持ち上がったこともありました(※2)。
そんないろんな外国・異文化との交流・友好……。
カール大帝はそんな壮大な夢と責任のために人知れず外国語の勉強にがんばっていたのです。
そして、“ふたつの魂”という言葉、すなわち、“もう一つの魂が生まれるんだ”ということにその意義があふれているようです。
(※1)紀元800年のクリスマスにカール大帝はローマ教皇から「ローマ皇帝」としての冠(かんむり)をいただきました。
(※2)この時はエイレーネ―がクーデターにあい、失脚し、話はなくなってしまいました。
ムハンマドなくしてシャルルマーニュ(※)なし
これはカール大帝の言葉ではありません。
アンリ・ピレンヌという19世紀の歴史家によるものです。
ムハンマドとはイスラム教の教祖。
これに対し、カール大帝はローマカトリック教会を熱心に守りました。
では、いったいこの言葉の意味するところとは?
つまり、それまで地中海一帯にはローマ帝国というヨーロッパ系の巨大な国が強かったのです。
しかし、7世紀、アラブからイスラム教が開かれ、またたくまにイスラム帝国として地中海沿岸のかなり広い地域を支配するようになったのです。
こうして、西ヨーロッパ系の国々は海が閉ざされ、閉鎖的な独自の文化を発展させてゆくのですね。
その代表がカール大帝のフランク王国なのです。
つまり、
「ムハンマドの存在がまわりまわってカール大帝の存在をきわだたせた」
ということを意味します。
(※)カール大帝をフランス語読みしたもの
きょうのまとめ
カール大帝はとても広い領土を治めなくてはならなくなり、また周りの諸外国との外交も大変でした。
当然、異文化との交流はなくてはなりません。
戦争に強いだけじゃない、“ヨーロッパの父”の独特の深みが気になってきませんか。
さすがにこの人は「ハート」の「キング」です。
① カール大帝名言その1「正しい行動は知識だけより良いものだ。しかし正しいことをするには何が正しいか知る必要がある」
② カール大帝名言その2「ふたつの言語を持つとはふたつの魂を持つことだ」
③ 歴史家アンリ・ピレンヌのたとえ「ムハンマドなくしてシャルルマーニュなし
その他の世界の偉人ははこちらから
関連記事 >>>> 「世界の偉人一覧」
(出典https://meigen.club/charlemagne/)