ロレンツォ・デ・メディチの名言|国の平穏と芸術文化を築いた男

 

15世紀、イタリア各国にバラバラの勢力が乱立するなか、巧みな外交手腕により、

国内の平穏を保った政治家、

ロレンツォ・デ・メディチ

20歳の若さで当主となり、国を牽引した才能もさることながら、政治だけでなく芸術に深い理解があったことも、彼の特徴といえます。

多くの芸術家をパトロンとして支え、また国外に派遣したことでイタリア中にその文化は広がり、結果、15世紀をルネサンス文化の最盛期へと導きました。

かくいうロレンツォ自身も生前たくさんの詩を残しており、名言の数々は今でも高い評価を得ています。

政治と芸術文化という、一見無関係にも思える2つの観点からイタリアを支えた彼は、一体どのような思考をもっていたのでしょうか。

名言の数々から、その一端に触れていくこととしましょう。

 

人はいつ死ぬかわからない

ロレンツォ・デ・メディチ

ロレンツォ・デ・メディチ
出典:Wikipedia

人はいつ死ぬかわからない。朝起きて今日も命があったと思う。だから、今日を精一杯生きる

いつ死ぬかわからないのだから、今を精一杯生きる…この類の言葉は、ロレンツォだけでなく多くの偉人が口にしてきた言葉でしょう。

明日に期待せず、すぐに実行に移す行動力がなければ、歴史上に功績など残せません。

またロレンツォのいうこの言葉は、実体験に基づいている分、説得力のあるものになっています。

彼は20歳で父親を亡くしていますし、29歳のころには、暗殺者によって弟のジュリアーノが殺害され、自身も命を狙われました。

人の死に直面した数の分だけ、ロレンツォは死を身近に感じていたのではないでしょうか。

だからこそ、明日には自分は死んでしまうかもしれない…と、多方面で精力的に活動することができたともいえるでしょう。

 

ロレンツォの権力を物語る名言

私が1時間で夢見たことは

私が1時間で夢見たことは、あなたが4時間かけてやったことよりも価値がある

この名言はロレンツォの影響力の強さや、責任の重さを物語っているように感じます。

たとえば商人が4時間かけてできることは、いくらかのお金を稼ぐことぐらいでしょう。

それに対してロレンツォが1時間かけて行った外交は、国全体に影響を及ぼします。

当然権力やお金では計れない幸福もありますから、何に価値を置くかはその人次第でしょう。

しかし国のトップというのは、「自分の行動には他人の何倍もの価値がある」ぐらいの気構えがないと務まらないものだといえます。

私が10マイル以上街を離れれば

私が10マイル以上街を離れれば、友人たちの愛や忠誠心は費えるだろう

ロレンツォの権力は、彼がフィレンツェにいて、イタリアの平穏を守っているからこそのものです。

ここでいう街を離れるというのは、旅行を表しているのではなく、その責務から離れることを表しているのではないでしょうか。

ロレンツォが政治家として、国の主導権を保てるのは、彼の行動が伴っているから。

その地位についているからといって、責務から離れて何も行動を起こさなければ、その権力は瞬く間に失われてしまうでしょう。

また悲しい話ではありますが、この言葉通りに、物理的な距離が離れることで仲の良い友人と疎遠になってしまうことはありますね。

幸せになりたい者は誰であれそうさせてあげよう

幸せになりたい者は誰であれそうさせてあげよう。明日のことは何もわからないのだから

ロレンツォの政治は表向き上手くいっているように見えて、財政難という犠牲を伴うものでした。

先代から受け継いだメディチ銀行は破綻寸前…挙句には国の公金にまで手をつける始末。

ロレンツォが見境なく資産を使ったのは、まさに「明日のことは何もわからないから」ではないでしょうか。

ここで語っているように「幸せになりたい者は誰であれそうさせてあげよう」という想いから、多くの芸術家を支援したのかもしれません。

しかしこの行いについては、いくらロレンツォといえども、後悔があったようです。

彼は死に際して、兼ねてからロレンツォの行いを批判していた修道士のサヴォナローラを自宅に招き、その罪を告白したという逸話が残されています。

国のお金に手をつけてしまったというのは、たしかにいけないことでしょう。

しかしロレンツォが国の平穏を守ったこと、芸術文化をイタリア中に広めた功績を考えれば、犠牲を払っただけの価値のある行動だったとも取れます。

 

きょうのまとめ

数多くあるロレンツォの名言はどれを取っても、彼が「今」という時間をいかに大切に生きていたかを感じさせるものになっていました。

偉人の名言を辿ると、真意の定かでないものに出くわすことも多くあります。

しかしその人がどんな人生を辿ってきたのか、その軌跡をみていくことで、明らかになってくる部分は多いものですね。

最後に今回の内容を簡単にまとめておきましょう。

① ロレンツォは身近な者の死に直面する機会が多く、その日を生きられる尊さを人一倍実感していた

② 権力は自分が責務を全うしてこそのもの。行動が伴わなければ瞬く間に失われてしまう

③ 幸せになりたい者は、幸せにさせてあげよう…という考えから、多くの芸術家を支援した?

ロレンツォの価値観で一番主張されていることは、やはり「明日はどうなるかわからない」ということのように感じます。

彼と同じ死生観をもつことは難しいにしても、今日を妥協せず、精一杯生きていけるよう、こころがけていきたいところですね。

 

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