孔子とは中国の春秋時代末期に活躍した思想家で、儒教を創始した人です。
儒教はその後2000年以上に渡って、中国の政治文化に強い影響を与えました。
そして、孔子の死後にまとめられたのが「論語」です。
古代中国に作られた「論語」ですが、現代でも役に立つ名言がいっぱい詰まっています。
「論語」について
「論語」とは、弟子の質問に孔子が答えたことばをまとめた門答集です。
したがって「論語」にある孔子の名言は、「子曰く(先生はこうおっしゃった)」から始まります。
孔子は74年の生涯のうちほとんどを任官することなく過ごし、たくさんの弟子を育てました。
その弟子たちをつれて十数年、中国各地に徳を広めながら、人のあるべき姿を説きました。
そして、まとめられたのが孔子の名言集「論語」です。
「論語」は全20篇で512の短文から成り立っています。
それではそんな「論語」にある孔子の名言を、ビジネス編と生活編にわけてご紹介します。
孔子の名言 -ビジネス編7選―
力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり
仕事で行き詰まったとしても、本当に不可能なことならすでに病気で倒れているでしょう。
まだ倒れていないのなら、あなたは自分の力を自分で見くびっているだけなのです。
人の過ちや、各其の党(たぐい)においてす。 過を観て斯に仁を知る
もし部下が同じようなところでよく間違っていたら、間違えているところをよく観察して部下の人柄を知ることができます。
効果的なアドバイス法も分かるはずです。
民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず
部下にやってもらいたいことをすべて理解してもらうのは難しいものです。
時には指示に反発されることもあるでしょう。
何のためだかよくわからない指示だが、あの人の言うことだから従おうというくらい信頼できる上司になって、部下に仕事をしてもらいましょう。
過ちを改めざる、これを過ちという
仕事でミスをしない人はいません。
ミスは誰にでもあることで、ミスをしたそのこと自体は間違いではありません。
ミスを改めて、再発しないよう対策することが大切なのです。
巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁
弁舌が巧みで、職場の力関係によって態度を変える人はちょっと出世したり世渡りが上手いように見えますが、そういう人に人格者はいません。
異端を攻(おさ)むるは斯(こ)れ害あるのみ
会議で違う意見を出されたり、仕事にダメ出しばかりする人を攻撃したとしても、自分に害が及ぶだけでいいことはありません。
位無きを患(うれ)えず、立つ所以を患(うれ)う
いいポジションに就けなかったことを悔しがるのではなく、そのポジションに就くためにはどんな仕事をこなしていけばいいのかを考えましょう。
孔子の名言 -生活編7選―
学びて思わざれば則(すなわ)ちくらし、思いて学ばざれば則(すなわ)ちあやうし
例えばいい育児法を教えてもらっても、工夫してうまく活用しなければ自分の子どもには当てはまりません。
でも独自の育児に固執するだけでは行き詰まることもありますし、他人や本を参考にすることも大切ですよね。
貧にして怨むこと無きは難く、冨みて驕ること無きは易し
お金のことだけではありません。
志望校に合格できなかった人は世の中を恨んだりもするでしょう。
めでたく合格したからといって威張ったり自慢しないようにしましょう。
過ぎたるはなお及ばざるがごとし
家がピカピカだったらとても快適ですが、潔癖症のようにいつも掃除してばっかりだったら辟易してしまいます。
その人を知らざれば、友を見よ
「類は友を呼ぶ」
といったところでしょうか。
その人の友達を見ればどう付き合えばいいのかもわかります。
義を見て為さざるは、勇なきなり
いじめを見ぬふりをしているのは、いじめている人と変わりません。
勇気をもって正しいことを貫きたいものです。
徳は弧ならず必ず隣あり
悪口を言っている人を諭したら、今度は自分の悪評が広められることになってしまったなんてこともあるでしょう。
でも正しい行動をした人には必ず支援者が現れるのです。
朝(あした)に道を聞かば、夕べに死すとも可なり
人生を説いた深い名言です。
一体、真実を知っている人はどのくらいいるのでしょうか。
でも、人にはわからなくてもその人なりの真実が分かったのなら死んでもいいくらい幸せなのでしょうね。
きょうのまとめ
ご紹介した以外にも、「論語」にはためになる名言がたくさんあります。
「論語」というとお堅いイメージもありますが、お気に入りの名言を探すのも楽しいかもしれません。
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