イタリアの名所と言えばどこを思い浮かべますか。
ローマのコロッセオ(大闘技場)。
ヴェネツィアの水上都市。
ナポリから望む地中海とヴェスビオ火山。
南国情緒豊かなシチリア。
どれも大変素敵です。
でも、有名で、ちょっと変わったあの建物を忘れていませんか。
そうです。
ピサの斜塔。
実は、世界史上を代表する学者「科学の父」
ガリレオ・ガリレイととてもゆかりの深いところ。
今回は
・ガリレオ・ガリレイとピサはどんなかかわりがあったのか?
・ガリレオ・ガリレイがピサでおこなったという説のある実験とはどのようなものだったのか?
・ピサの斜塔自体の歴史、ていうか、なぜかたむいてんの?
を紹介していきましょう。
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ガリレオ・ガリレイとピサのかかわり
ガリレオ・ガリレイの出身地
ここピサはイタリアの北西部。
ガリレオ・ガリレイの生まれ故郷です。
お父さんは地元でも有名なリュート奏者。
リュートとは弦楽器の一種でギターとにています。
ガリレオ・ガリレイもリュート演奏は上手でした。
音楽と数学の意外な関係
実のところ、古代の中国やエジプトやメソポタミアの昔から音楽と数学の理論は重なる点が多いとされます。
現代の音階を作ったのはピタゴラスという説もあるくらいです。
何せ、音の高さを決める振動数。
音の大きさを決める振幅。
物理そのまんまじゃん!
ですよね。
しかも、長調とか短調とか和音とか、なぜか決まり決まった定理があります。
そもそもガリレオ・ガリレイの家系は理系の才能を強く受け継いでいたのかもしれません。
ガリレオ・ガリレイとピサ大学
なお、ガリレオ・ガリレイはピサ大学に入学し、はじめ医学を志します。
しかし、そこで数学教授のユークリッド幾何学講義を見て衝撃を受け、目指す道を変えました。
ガリレオ・ガリレイは中退後、ここで教授もやっておりました。
本当?ガリレオ・ガリレイによるピサでの発見2つ
① ピサの斜塔での落下実験
物理にはこのような法則があります。
「重力による物体の落下速度は、その物体の質量の大きさによらない」
※なお、空気抵抗は無視するものとする
そこで、ガリレオ・ガリレイは実験した、といいます。
ピサの斜塔に登って、上から大小2つの鉛(なまり)球を同時に落としてみました。
結果はどうなったと思いますか?
上の法則を考えに入れると……。
そうです。
同時に地面に到着しました。
ただ実はこれ、弟子が創作したエピソードだという説が有力です。
② ピサ大聖堂での振り子
物理にはこのような法則があります。
「振り子が一往復する周期は、質量や振幅には無関係であり、もっぱら糸の長さによって決まる」
※なお、空気抵抗は無視するものとする
つまり、振り子が一往復する時間は重りの重さ・振れ幅には関係なく、だいだい糸の長さで決まりますよ。ということです。
これを『振り子の等時性』といいます。
ガリレオ・ガリレイはピサ大聖堂でのランプが揺れているのを見てこの法則を見つけたといいます。
でも、これも後の時代の創作という説が有力です。
ピサの斜塔の歴史
ピサの斜塔がかたむいている理由
そもそもピサの斜塔は大聖堂に付属した鐘楼(鐘を鳴らすための塔)です。
工事が始まったのが1173年。
やっと出来上がったのが1372年。
日本でなら平家全盛期から御成敗式目も元寇もはさんで南北朝のど真ん中までです。
いやはや、このあたりはもともと地盤がゆるいんです。
なので、工事中からかたむき始め、こんなにもかかっちゃいました。
ちなみに、「危ない」ということで、1990~2001年に修正工事が行われました。
5.5°から3.99°へ。
これであと300年は倒れない、とのことです。
さらにここでもうひとつガリレオ・ガリレイ・エピソードを。
ガリレオ・ガリレイへのおわび
1992年ここの頂上からある人がガリレオ・ガリレイにおわびする声明を発表しました。
だれだと思いますか。
ヒント。
生前のガリレオ・ガリレイを絶体絶命のピンチに追いやった人は?
正解はローマ教皇。
ガリレオ・ガリレイは「聖書に書いていること(天動説)を否定するんじゃない」ということで、生前2度の異端尋問にさらされました。
こうして、ガリレオ・ガリレイは自身の地動説を撤回するしかなくなってしまいます。
しかも死ぬまで家に軟禁されなければならなくなってしまいました。
ちょっと時間がかかりましたが、誤解が解けてよかったです。
きょうのまとめ
ピサの斜塔は最上階だけかたむいていません。
工事の関係上、ここだけ地面と水平に合わせたんです。
① ピサはガリレオ・ガリレイの生まれ故郷である
② ピサの斜塔とピサ大聖堂での発見はともに後世の創作である可能性が高い
③ ピサの斜塔の頂上でローマ教皇がガリレオ・ガリレイの異端尋問へのおわびの声明を発表した
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