イタリアルネッサンスを代表する偉大な学者
ガリレオ・ガリレイ。
彼は地動説を唱えて異端尋問にかけられ、処刑されたと思われている節があります。
しかし、それは事実ではありません。
では、ガリレオ・ガリレイの死因とはいったい何だったのか、についてせまってまいりましょう。
常識をくつがえすというのは大変そうですね……。
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ガリレオ・ガリレイら地動説支持学者の死因
ガリレオ・ガリレイの死因は病死です。
動悸で床に就いていたところ、枕もとでは弟子たちが科学談義をしておりました。
そんなさなかに亡くなりました。
ちなみに地動説の元祖になったコペルニクス。
彼も異端尋問による刑死だと思われている節があります。
が、これも事実ではありません。
こちらは脳卒中です。
ただ、ガリレオ・ガリレイのちょっと先輩に、異端尋問にかけられ、処刑された地動説支持学者(※)がおります。
(※)聖書には「太陽が地球の周りをまわっている」天動説が書かれています。当時は聖書とちがうことを主張すると異端者・神に弓引く者、というあつかいをされる危険がありました。ルター「私はカトリックに反抗するプロテスタントの指導者だけれど、“聖書”に書かれていることに文句をつけるんだから、私だって反対だ!」
その人の名はジョルダーノ・ブルーノ。
ブルーノは修道士でもあります。
この事実は後輩にも相応のプレッシャーになりえます。
さて、ではそもそもなぜガリレオ・ガリレイは2回も異端尋問を受けねばならなくなったのでしょう。
天才ガリレオ・ガリレイのずばぬけた先進性と、それゆえに苦しんだ人間関係の話を追ってまいりましょう。
ガリレオ・ガリレイの引っ越し
1610年、46才、ガリレオ・ガリレイは大学教授を勤めていたヴェネツィアから生まれ故郷ピサにほど近いフィレンツェに移住します。
友人たちはとても心配していました。
なぜなら、
「あいつはカトリック教会とゆくゆくもめるんじゃないか……」
ヴェネツィアはローマ教皇に対抗できる数少ない勢力です。
でも、ガリレオ・ガリレイは
「そんなのより研究する時間が欲しい」
ほかと掛け持ち生活をしなければならないヴェネツィアでは満足していなかったのです。
ガリレオ・ハラスメント
意欲的なガリレオ・ガリレイは
・金星の満ち欠け⇒地動説の証拠
自前で開発した望遠鏡を使ってこれらの新事実をドンドン発見。
ところが、案の定です。
何せ彼の発見は当時の常識をくつがえすものでしたし、ねたみもあって風当たりが相当きつくなってきます。
たびたび激論となるガリレオ・ガリレイと守旧派。
しかし、守旧派は何とも手段を選びません。
ガリレオ・ガリレイの弟子やメディチ家を巻き添えにして、しかもガリレオ・ガリレイの手紙に勝手に手を加えてまで異端尋問所にうったえでます。
異端尋問
第1次異端尋問。
ガリレオ・ガリレイは「聖書の教えとコペルニクスの地動説が両立する」ことを必死にうったえました。
が、判決「コペルニクスの思想を支持してはならない」
その後しばらくはすっかり無気力状態になったガリレオ・ガリレイ。
しかし、まただんだんやる気が回復してくるにつれ研究に精を出し始めます。
そして、『天文対話』という新刊を出版。
ところが、またやられます。
「この箇所、教皇をバカにしてますよ」
全然そんなことないのに、無理やりあてこすられ、第2回異端尋問。
そこで、とうとう
「信仰を取るか。それとも自分の学説を取るか。」
をせまられます。
自分の学説を取ると、待っているのはキリスト教徒としても肉体としても死です。
ガリレオ・ガリレイは苦しい思いで「信仰を取る」ことを宣言します。
晩年のガリレオ・ガリレイ
こうして、どうにか死罪だけは免れたガリレオ・ガリレイ。
しかし、その後は自由に自宅の外に出ることもできません。
いろいろと規制の多い中、看病をしてくれていた長女のマリア・チェレステに先立たれてしまいます。
さらにガリレオ・ガリレイは両眼を失明。
それでもガリレオ・ガリレイは研究に関する思索をやめず、思いついたことを弟子たちに口伝えに記録させます。
さらには『新科学対話』を出版。
地動説が主流となる時代はもう間もなくせまっておりました。
きょうのまとめ
異端尋問の時、ガリレオ・ガリレイが言ったとされる「それでも地球は動いていた」は、本当は言っていなかった、というのが今の有力説です。
① ガリレオ・ガリレイの死因や病死。コペルニクスは脳卒中。ジョルダーノ・ブルーノは異端尋問による刑死
② ガリレオ・ガリレイは守旧派にハメられて異端尋問に出頭させられた
③ ガリレオ・ガリレイは異端尋問後も研究への意欲は衰えず、彼の死後間もなく地動説はいよいよ主流となってゆく
宇宙で決まった真理と、人間の中で決められた真理。
両方は必ずしも同じではありません。
ただどちらも無視できないものであり、うまく折り合わせていくのは大変ですよね。
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