戊辰戦争・長州征伐など、幕府vs長州藩の戦いにおいて軍師を務めたことで、明治維新の立役者に数えられる
大村益次郎。
新政府において、軍事の近代化を推し進めたその功績から、日本陸軍の祖とも名高い人物です。
そんな益次郎の生涯はあまりにも短く、彼は45歳の若さで暗殺事件に遭い、この世を去っています。
となると、大村家の末裔としてその意志を継いでいくのは子孫の役目。
ただ…益次郎の子孫に関しても、実はことごとく不運に見舞われているのです。
今回はそんな大村益次郎の子孫に関して、詳しく辿っていきましょう。
災難に遭いながらも現代までその血を紡がせた事実から、益次郎の人徳を垣間見ることができますよ!
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大村益次郎の息子・孫は?
家系存続の危機
1850年、大村益次郎は村医を務めていた父の跡を継ぐべく、故郷の鋳銭司村(現・山口県山口市鋳銭司)に帰郷。
その翌年に隣村の農家の娘・琴子と結婚しています。
ただ、夫婦仲は良くても、ふたりのあいだに子どもはできず、長男の松二郎は養子として迎えた子どもでした。
またその松二郎も子宝に恵まれず、長男の寛人を養子に貰っています。
つまり、この時点で血のつながりがある子孫はもういないわけですが…このあと、大村家はさらなる悲運に見舞われることになります。
なんと長男の松二郎は1879年に28歳の若さで亡くなり、孫の寛人も1892年、24歳の若さで亡くなってしまうのです。
このとき寛人にもまだ子どもはできておらず、大村家は一気に家系存続の危機に立たされることになります。
元長州藩主・毛利元徳の六男が大村家を継ぐことに
自身は暗殺事件に巻き込まれ、息子や孫も早々に亡くしてしまった益次郎。
この状況を不憫に思ったのが、元長州藩主の毛利元徳でした。
彼は六男の六郎を養子に出し、大村家の新しい当主として建てます。
毛利としても、自身の部下として奔走し、新時代の立役者となった益次郎の血筋をこのまま絶やすのは忍びないと感じたのでしょう。
こうして大村徳敏と名を改めた六郎は、その後の大村家の血を紡いでいくのです。
一方、益次郎の妻・琴子は1905年、73歳まで人生を全うし、大村家が無事引き継がれていくのを見届けています。
自分たちの子はできなかったものの、周囲に支えられながら家系が受け継がれていく様子に、彼女も安心して旅立つことができたのではないでしょうか。
このように、現在まで大村家が続いているのは、元藩主を動かした大村の人徳あってこそのもの。
「本人が亡くなっても意志は生き続ける」
などとよくいいますが、これはその人を慕う周りの人が動かされることをいうのでしょうね。
大村益次郎の現在の子孫
現在の大村家の当主は大村和敏さん。
徳敏の孫にあたるため、益次郎から数えると5代目にあたります。
実はこの方は皇族の東久邇宮文子女王と結婚されており、晴れて皇室の一族となられました。
由緒ある家系を立派に引き継いでおられるのですね!
また、和敏さんの父にあたる泰敏さんも、現在もご存命だという情報があり、これがたしかなら、112歳にもなられています。
すごいバイタリティー。
オデコの広さは子孫にも健在?
2002年にはフジテレビ系列『笑っていいとも!増刊号』にも子孫の方が出演され、登場したのが誰の子孫かを当てるクイズで、お茶の間を湧かせたという情報がありました。
益次郎の人相といえば、肖像画からオデコの広さが一番に思い浮かびますが、この方もどこかその面影があったという声が。
…あれ?でも養子だから、血のつながりはないはずなのに…。
益次郎の子孫という先入観から、顔も似ているように見えた部分もあるのかもしれませんね。
あのオデコの広い肖像画はイタリア人画家のエドアルド・キヨッソーネが描いたものですが、これに関しても聞き伝えだけで描かれたものです。
実際はあそこまで異様なオデコの広さではないはず。
ちなみにいうと、キヨッソーネは紙幣に肖像画を取り入れるため、政府が呼び寄せたお雇い外国人です。
彼の描いた西郷隆盛や明治天皇の肖像画も有名ですね。
きょうのまとめ
45歳の若さで悲運の死を遂げた、明治維新の功労者・大村益次郎。
受け継がれるべきその血筋は現代まで着々と続いていました。
このまま家系が潰えてしまうのは忍びないと周囲が支えた経緯も、子孫たちにとって誇りとなっているはずです。
最後に今回のまとめをしておきましょう。
① 大村益次郎と妻・琴子には子どもができておらず、直接血のつながりのある子孫はいない。
② 養子に来た息子と孫は20代で若死に。不憫に思った元長州藩主の厚意で、その子息が大村家の当主となった。
③ 現在の当主・和敏さんは東久邇宮文子女王と結婚。皇族の仲間入りを果たしている。父の泰敏さんも100歳を超えて存命。
現代に生きていると正直、家系を意識する機会は少ないものです。
しかし大村家のように、必死に紡がれてきた家系の歴史を知ると、家柄の大事さにも気付かされますね。
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