世界を鋭く見つめるニーチェの名言

 

実存主義の先駆者として知られる哲学者、

ニーチェ

古代の哲学や古典文献などを研究し、鋭い観点から批判的に世界を分析しています。

今回はそんなニーチェの思想を名言から見ていきましょう。

 

ニーチェの名言 世の常

ニーチェ

1882年の肖像
出典:Wikipedia

ここでは、哲学者ニーチェの深い考察に富んだ名言をご紹介していきます。

事実とは

ニーチェ
事実というものは存在しない。
存在するのは解釈だけである。

「事実」とは、一見すると唯一絶対的な存在として居座っていそうです。

しかしニーチェに言わせれば、そんなものはありません。

解釈の数だけ、それはどのようにも変化してしまうのです。

人と自然

ニーチェ
我々が広々とした自然にこれほどいたがるのは、自然が我々に関してなんら意見を持っていないからである。

多くの人間が、自然に触れると癒しや解放感を感じます。

そしてスッキリとした気分で現実社会に戻っていき、気づくとまた自然に触れに行く。

この一連の流れの根底にあるものを、ニーチェはこのように分析しています。

集団心理

ニーチェ
我々ひとりひとりの気が狂うことは稀である。
しかし、集団・政党・国家・時代においては日常茶飯事なのだ。

この名言では、集団心理に潜む恐ろしさが浮き彫りになっています。

周囲の人間がそう言っている。

それだけで、あたかもそれが正しい答えかのように感じられた経験は誰にでもあるはず。

環境が人に与える影響は大きいのです。

反対の背景

ニーチェ
人間が意見に反対する時はだいたいその伝え方が気に食わないときである。

人は自尊心を傷つけられると、余計に意固地になることがあります。

そんなときは、どんなにそれが魅力的な提案だったとしても意地になって認めないものです。

この名言を覚えておけば、相手のことを考えた伝え方を模索できそうですね。

変わりゆくもの

ニーチェ
脱皮できない蛇は滅びる。
その意見を取り替えていくことを妨げられた精神たちも同様だ。
それは精神ではなくなる。

途中で意見を変えるということは、必ずしも悪いことではありません。

人は日々変化していくのです。

そのことを感じさせるもう一つの名言を以下にご紹介しておきます。

ニーチェ
人間は行動を約束することはできるが、感情は約束できない。
なぜなら、感情は気まぐれだからである。

もしあなたの感情や精神の変化を妨げる状況に置かれたら、自分のためにそこから抜け出す道を考えた方がいいかもしれません。

所有の罠

ニーチェ
ある程度までのところ、所有が人間をいっそう独立的に自由にするが、一段進むと所有が主人となり、所有者が奴隷となる。

生活に必要な最低限のお金や持ち物がなければ、貧困に苦しむことになります。

しかし度が過ぎた欲はやがて人を破滅に導きます。

何事も、身の丈に合ったサイズがちょうどいいのです。

 

ニーチェの名言 モチベーションアップ

ここでは、モチベーションアップに役立ちそうなニーチェの名言をご紹介していきます。

人生とは

ニーチェ
世界には、君以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。
その道は何処に行き着くのか、と問うてはならない。
ひたすら進め。

自分の人生は自分にしか生きられない。

そしてそれが何処に行き着くのかは、絶対に誰にも分からないのです。

自分自身でさえも。

だからひたすら進みましょう。

ニーチェ
あなたが出会う最悪の敵は、いつもあなた自身であるだろう。

敵は自分自身の中に潜む。

ニーチェはこの名言でそのことに気づかせてくれています。

そして外部の敵については、以下の名言で次のように語っています。

ニーチェ
軽蔑すべき者を敵として選ぶな。
汝の敵について誇りを感じなければならない。

自分の脚で

ニーチェ
高く登ろうと思うなら、自分の脚を使うことだ。
高い所へは、他人によって運ばれてはならない。
人の背中や頭に乗ってはならない。

上に立つということは、あらゆることを把握し、責任を持つということ。

その実感をしっかりと得て身に着けるためにも、自分の脚で歩くことは大切な工程なのです。

過去の奴隷からの脱却

ニーチェ
心の中に未来にふさわしいビジョンを描け。
そして、自分を過去の末裔であるという迷信を忘れるんだ。
あの未来の生を思い巡らせば、工夫し、発明すべきものが限りなくある。

人は過去に捕らわれると、失敗を恐れ何もできなくなるものです。

未来にある生を充実させたいのならば、やれることはまだまだたくさんあるはずです。

こんな名言も併せてご紹介しておきます。

ニーチェ
忘却はよりよき前進を生む。

受け身の危険性

ニーチェ
本をめくることばかりしている学者は、遂にはものを考える能力を全く喪失する。
本をめくらないときには考えない。

知識を頭に入れる作業をしているときは、あたかも自分が賢くなっているかのように感じます。

しかし実際にその知識をものにしたり自身を鍛えるには、知識から得た情報を吟味し自分の頭で考えて、アウトプットすることが重要なのです。

ニーチェはこの名言で警鐘を鳴らしています。

 

きょうのまとめ

今回は、ニーチェが遺した名言をご紹介してきました。

いかがでしたでしょうか。

最後に、今回の内容を簡単にまとめると

① ニーチェは哲学者らしい深い考察に富んだ名言を多く遺している。

② 名言の中には、世の中の真理を示すようなものもある。

③ 現代人のモチベーションアップにつながりそうな名言も多くある。

ニーチェは他にも様々な興味深い名言を遺しています。

ご興味を持たれた方は、お時間のあるときにでもぜひ調べてみて下さい。

あなたの人生を彩る言葉にきっと出会えるはずです。

 
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