18世紀フランス王国悲劇の王妃。
マリー・アントワネット。
彼女の悲劇の人生と共に語り継がれているのが、その愛娘マリー・テレーズ、そして愛息子シャルルの人生です。
今回は、彼らの人生について振り返ってみましょう。
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なかなか子どもに恵まれなかったアントワネット
ルイ16世とアントワネットが結婚した後、
彼らは7年間、子どもを授かることができませんでした。
世継ぎができないアントワネットは、ヴェルサイユ宮殿内で陰口を叩かれ、孤独を味わうことになります。
しかし、7年後ようやく待望の子どもを授かります。
4人の子どものうち、2人は病死。
長男・シャルル
が、その後それぞれの人生を歩みます。
ルイ16世王家で唯一天寿を全うした長女マリー・テレーズ
マリー・テレーズは幼少期から自分がフランス・ブルボン家とハプスブルク家の子孫であることに誇りを持つ、
プライドが高く、気が強い少女だったそうです。
そんな彼女が10歳の時、フランス革命が勃発。
アントワネットの死後は、弟シャルルとは別室のタンプル塔で約2年間に及ぶ幽閉生活を送ります。
弟想いだった彼女は、別室のシャルルの病状を心配し、
「彼に正当な医療を受けさせてほしい」
と何度も国民公会に嘆願書を出したそうです。
そして、シャルル死後1796年、フランス捕虜との交換条件で母の祖国・オーストリアへ亡命します。
しかし時代はナポレオン・ボナパルトが頭角を現し始めた頃。
オーストリアに亡命した直後も、プラハに避難するなど、18歳の彼女は逃げ続けることを余儀なくされました。
ウィーンに戻った彼女は程なくして、
その後の人生を共にするフランスブルボン家父方の従兄の息子、ルイ・アントワーヌと結婚をします。
容姿に異常なコンプレックスがあったというアントワーヌ。
しかしルイ・アントワーヌは心優しく、また指導者としての才にも優れていました。
彼のおかげで、凍りついた彼女の心も次第に癒されていきます。
二人に子どもは出来ませんでしたが、彼らは相思相愛だったそうです。
そして彼女が46歳の時、ナポレオン軍がロシア遠征に敗北したことで王政が再びフランスに戻ります。
叔父がフランス国王シャルル10世となったことから、
彼女は思いがけずフランス王太子妃となり、フランスに戻ります。
辛過ぎる少女時代を過ごしたパリ。
そして、「復讐のためにフランスに戻った王女」と呼ばれるなど、
あまりに酷い出迎えが待っていました。
しかし1830年、フランスは2度目の革命時代(7月革命)を迎えます。
彼女はまた長い亡命の余生を過ごします。
そして73歳の時、ウィーンの病院でその激動の人生を終えました。
ルイ16世王家で最も悲惨な人生を送った長男シャルル
ルイ17世の誕生
両親以上に、あまりにも悲惨な人生を歩むこととなったのがルイ17世、つまり長男シャルルです。
彼は幼少期から非常に活発で周りを楽しませる愛情深い少年でした。
ルイ16世死後、母アントワネットは彼の前に跪き、
ルイ17世誕生を祝福します。
しかし、革命中の幽閉された状況で戴冠式を上げることもできず、
シャルルは母親から引き離され、タンプル塔の別部屋に移送されます。
そして、母アントワネット死後は更に過酷な独房生活が始まります。
母アントワネットの死後
靴屋のシモン夫婦が彼の教育係りを担当します。
しかし教育など愚か、シモンに革命的思想を押し付けられ、虐待を受ける毎日。
鉄格子越しの小さな窓から支給される1日たった2度の食事。
彼への戒めとして、狭い独房の清掃と換気までもが禁止され、彼は真っ暗な、蚤と糞尿にまみれた部屋で過ごします。
このあまりにも不衛生な環境と虐待行為、光のない生活によって、彼は病気を患い、歩くこともできず、体中に腫瘍ができ、衰弱していきます。
やっとのことで彼の元へ訪れることのできたシャルルの診察医師は、
「救い難い惨状、放置の犠牲者であり、残忍な仕打ち」と所見を綴ります。
しかし、狂乱の革命時代。
必死の看護に及んだその医師たちまでもが、その直後、自然死とは思いがたい謎の突然死を迎えるのです。
そして、次の医師がようやく派遣された時には、シャルルは衰弱し施しようのない状況でした。
朦朧とする意識、膨張しきった腹部の激痛が彼を襲います。
そして、1795年6月8日、彼は呼吸困難に陥り、
10歳の少年の、その小さな尊い命の灯火は尽きてしまうのです。
きょうのまとめ
マリー・アントワネットの子ども達の人生についてご紹介しました。
簡単にまとめると
① マリー・アントワネットには4人の子どもがいた
② 長女マリー・テレーズは、フランス革命により独房生活、亡命生活と激動の人生を送る
③ 長男シャルルは、過酷な独房生活で10歳で亡くなる
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