中世、故郷イタリア・ヴェニスを離れ、24年間かけて15000kmを旅した
マルコ・ポーロ。
その間、戦争に巻き込まれたり、ローマ教皇にお使いをたのまれたり、元の皇帝フビライハンに17年もお仕えしたり。
世界中の風習をナマで体験して、いろんな民族と出会い、不思議なこともいっぱい見聞きしました。
そんなまさに“リアルRPG”である彼の人生を一気におさらいしましょう。
タップでお好きな項目へ:目次
マルコポーロとはどんな人?
- 出身地:イタリア・ヴェネチア
- 生年月日:1254年
- 死亡年月日:1324年1月8日(享年69才ぐらい)
- 世界を股にかける貿易商人。世界紀行文『東方見聞録』の元ネタを提供。
マルコポーロの年表
1254年(0才)マルコポーロ生まれる
1271年(17才)東方へと旅に出る
1295年(41才)ヴェネチアに帰る
1298年(44才)ヴェネチアとジェノバが戦争。マルコポーロ従軍し捕虜になる。
1299年(45才)マルコポーロ釈放
1300年(46才)商人の娘と結婚
1324年(69才)死去
マルコポーロの大旅行
マルコポーロは航海の町ヴェネチアの出身。
17才の時、貿易商人であるお父さんと叔父さんに連れられ東方への旅に出ます。
やがて、元の皇帝フビライハンに出会うと、とても気に入られ、そのまま仕えることとなります。
そしてさらに17年が経ったころ、マルコ一行は皇帝にずっと仕え続けることからくる身の危険を案じ、ヴェネチアに帰ることをフビライにお願いします。
フビライは「マルコ一行を帰したくない」とこれを拒否。
しかし、運よくイル・ハン国の使者がマルコらを必要としておりました。
「彼らをイル・ハン国まで送るついでに帰国していいですか」
とフビライに話を通すと、ついに「OK」が出て、帰国がかないます。
『東方見聞録』成る
帰国後3年して、祖国ヴェネチアがジェノバと戦争になります。
この時、マルコポーロは兵士に志願。
ところが、戦争中捕まって捕虜になってしまいます。
そんな時、同じく捕虜だった物語作家のルスティケッロはマルコポーロ自身からの冒険物語を聞かされます。
それは世界中を旅し、見たことも聞いたこともないような不思議な話がもりだくさん!
ルスティケッロはこれがあんまりおもしろくて、記録してしまいます。
いわゆる『東方見聞録』の完成です。
『東方見聞録』の内容
書かれているエピソードは
●屋根も壁も黄金製、奇跡の黄金国“ジパング(日本)”
●マルコ一行、フビライに特殊兵器“発石車”の開発を提案して町一つ占領に大貢献
●“世界で初めて”紙のお金(お札)を流通させる不思議な国
など。
そして、気になるのはキリスト教王“プレスター・ジョン”。
当時ヨーロッパ世界では、
「私たちと一緒になってイスラム教徒から聖地エルサレム奪回をめざしている夢のキリスト教大国がアジアかアフリカのどこかにある」
とまことしやかに信じられておりました。
モンゴル帝国初代皇帝は“チンギスハン”です。
そのチンギスとモンゴル高原の覇権を争った“オン・カン”というケレイト部の王がおります。
マルコはこの“オン・カン”のことを“プレスター・ジョン”だと勝手に信じ切っております。
ちなみに、オン・カンはキリスト教徒ではありません。
家来にならネストリウス派(※)のキリスト教徒はいたかもしれませんが。
このように『東方見聞録』には「うそ・おおげさ・まぎらわしい」が結構あります。
ただそれをさっぴいても、当時としては東洋世界の事情をかなり正確に事細かく記しております。
(※)431年ローマ帝国におけるエフェソス公会議で異端認定。その後、東方各地にのがれておりました。
マルコポーロ、元まで行っていない説
実はマルコポーロにはとても不審な点がありまして、17年間も元の皇帝フビライハンに仕えていて、マルコのことは元の記録にいっさい残されていないのです。
そのため、
「マルコポーロは元まで実際行っていないのではないか」
という説が結構根強く支持されております。
実のところ、私も『東方見聞録』を読んで思ったのですが、マルコとフビライのふれあいの記事があんまり少なすぎる……。
あれだけ「私(マルコ)、フビライ陛下のお気に入り」を強調してるのに。
この説、なくはない印象です。
きょうのまとめ
① マルコポーロは24年間かけて15000km、ヨーロッパからアジアの各地を幅広く旅した
② 『東方見聞録』はマルコポーロが戦争で捕虜になった時の語りを物語作家のルスティケッロが書き止め出来上がった
③ 『東方見聞録』に書かれている内容は面白かったり、ためになる話がたくさんあるので、一度見てほしい
それにしてもマルコ。
やっぱり商売ものすんごくうまかったみたいで、大旅行から帰った時も、ジェノバに戦争捕虜から解放された後も、ウッハウッハにもうけております。
その他の世界の偉人ははこちらから
関連記事 >>>> 「世界の偉人一覧」
コメントを残す