エンリケ航海王子、コロンブス、ヴァスコ・ダ・ガマ、などと続く世界史大航海シリーズ。
ここらで世界一周と言えばあの人でしょう。
マゼラン。
この人、ガマやエンリケ航海王子などとちがって、大航海時代のたたき上げ(※)提督です。
(※)組織の下部からはい上がること
しかも、ポルトガル人なのに最大のライバル・スペインへと裏切って世界周航へと旅立っているのです。
つまりサッカーでいえば、レアル・マドリードのユース出身なのに、バルサに移籍するようなものです。
なぜ?
かなりのハイパー・プレイヤーだけれど、いわくありげなこの男にやけどしないよう、十分気を付けましょう!
マゼランはどんな人
- 出身地:ポルトガル、ポンテ・ダ・バルカ
- 生年月日:1480年ごろ
- 死亡年月日:1521年4月27日(享年41才ごろ)
- 人類初の世界一周をなしとげた艦隊の提督
マゼランの年表
1480年ごろ(0才)マゼラン生まれる
1505年(25才ごろ)ポルトガルのアルメイダ艦隊に加わる
1509年(29才ごろ)ディーウ沖海戦
1513年(33才ごろ)戦中の負傷で右足が不自由になる
1515年(35才ごろ)ポルトガル宮廷を去る
1519年(39才ごろ)スペイン艦隊提督として出航
1520年(40才ごろ)マゼラン海峡見つける
1521年(41才ごろ)マゼラン亡くなる
マゼランの生い立ち
マゼランはポルトガルの下級家族出身です。
よく間違えるので気を付けてください。
スペインではありません。
ポルトガルですよ。
やがて、ポルトガルの探検事業に低い身分として参加。
その後、危険な任務を着実にクリアして、出世の階段を上がってゆきます。
マゼランの出世と挫折
ポルトガル海軍がイスラム系連合艦隊を圧倒したディーウ沖海戦、マラッカ遠征、モロッコのアムザール攻略などに参加。
戦ではたびたびけがをし、ついには右足が不自由となってしまっております。
そして、地位はついに船長にまで。
しかし、マゼランは汚職の訴えを受けます。
正確なことはまだわかっていませんが、おそらく無実だったと言われます。
さあそこでマゼラン、思い切った行動に出ます。
スペインに移籍
ポルトガルを出てゆきます。
移籍先が決まっていたわけじゃありませんよ。
ところが、活躍先がなくなっていたマゼランに手を差し伸べたビッグクラブ、ではなく、国があります。
スペインです。
しかも条件は提督(艦隊で一番のえらいさん。サッカーでいえばキャプテンです。)
提案された目標は大西洋からインドに抜ける海峡を見つけること。
いうなれば、ユーロ・チャンピオンシップ決勝リーグみたいなスーパー・ビッグ・トーナメントにいきなり出場するようなものですよ。
世界一周
マゼラン一行の艦隊はスペイン・セビリヤを出航。
途中、部下の反乱がおこります。
が、容赦なく鎮圧。
ほどなく悲願の“海峡”を見つけます。
けれども、本国に帰る気まるでなし。
「もっと彼方へ突っ込め!私たちにはさらなる栄光が待ち構えているぞ」
です。
このセリフは私の想像ですが。
そして、広すぎる太平洋横断でたくさんの船員が栄養失調になりつつ、とうとうたどりついたフィリピン。
ここで、マゼランはますます突っ込みます。
「島民をみんなキリシタンに変えてしまえ」
という意気込みが地元のものすごい反発を呼び、戦争に。
味方60人、敵1500人。
しかも、マゼラン隊は大砲をいっぱい搭載した船から降りて敵地へと攻めてゆきます。
敵の数的優位につぶされてゆき、とうとう取り囲まれたマゼランはあえなく命を落としました。
その死後、命からがら生き延びた仲間たちがなんとかスペインの港にまで帰り着きます。
世界一周。
しかし、戻ってきた船は5隻中1隻。
270人中18人。
その犠牲はあまりに大きなものでした。
きょうのまとめ
ヴァスコ・ダ・ガマの第1次インド航海では3分の1の人数しか本国に帰ることができませんでした。
コロンブスにおいても、遠征先で仲間割れや、現地人との戦争、飢えなどによってたくさん亡くなっています。
そして、忘れてならないのは現地の被害です。
ここから先、列強による探検・入植はますます激しくなってゆきます。
① マゼランは探検家として低い身分からはい上がった
② マゼランは汚職を訴えられ、祖国ポルトガルを去り、スペインの探検事業に提督として参加する
③ マゼランは世界周航においてとても前のめりに艦隊を指揮し、フィリピンではそれが悪い方に出て戦死した
なお今、大航海時代に関するゲームはいっぱいあります。
私もむかし、提督を指揮して世界地図を描くゲームをやりました(※)。
(※)このシリーズはわりと最近もリニューアルされています。
とっても面白かったです。
あのころの船や世界の名物、世界地図の細かいところはどうなっているか、といったことを勉強できました。
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