疫病の歴史~ユスティニアヌス帝とペスト、ルネッサンス、第1次世界大戦~

 

疫病

それは私たち人類にとって時に戦争や天災以上の恐ろしい被害をもたらします。

ユスティニアヌス帝の時代、地中海のあたりを直撃したペスト。

その影響で東ローマ帝国内の人口は半減したといわれます。

今回はそんな人類にものすごく深刻な被害をもたらした疫病の数々の歴史を紹介します。
 
 

ペストってどんな病気?

人類史上なんども猛威をふるい、一度かかれば死んでしまう確率がとても高く、大変に恐れられている伝染病です。

その種類は主にこの4つに分けられます。

ペストの種類

① 腺ペスト

ペスト菌がリンパ節をむしばみます。

リンパ節がこぶし大にまではれ上がることも。

ペスト菌の働きで体内にいっぱい毒素が作り出され、治療しないと数日で死にいたります。

② 敗血症

ペスト菌が血液とともに全身に回り、あちこちに黒いあざができ、死亡します。

別名黒死病。

③ 肺ペスト

ペスト菌が肺に入り、呼吸困難を引き起こします。治療しないと数日で死にいたります。

④ 皮膚ペスト・目ペスト

 

ユスティニアヌス帝時代のペストの影響

ユスティニアヌス帝時代に流行したペストの影響はとても大きく、深刻です。

人口は東ローマ帝国内で半減したといわれます。

そのため、農業をやる人もものすごく少なくなります。

すると、小麦が足りないから製粉所もパン屋さんもお仕事になりません。

ユスティニアヌス帝時代というのはとちゅうまでは、領土をドンドン拡大し、

「ローマ帝国の再来だ!」

なんてものすごく調子がよかったものです。

しかし、このペストの大流行によって様子は一変。

帝国の衰退がはじまってしまいました。

実はユスティニアヌス帝自体ペストにかかってしまいました。

ただ、運よく軽症で済んだのは不幸中の幸いです。

 

14世紀のペスト大流行

ペストの流行は何回かあります。

その中でも特に深刻な被害をもたらしたもうひとつのケースを紹介します。

14世紀、アジア方面から感染が始まったといわれます。

モンゴル起源が有名なのですが、最近は中東起源説も唱えられております。

いずれにしろ、そのおそろしい死病は国境など関係なく、土地から土地へドンドン感染してゆきます。

そして、一度その病気に魅入られた土地は大変なことになってしまいます。

ヨーロッパでは全人口の3分の1から3分の2の人々がこの病気によって亡くなってしまいました。

実は、この病気が深刻すぎたからあのルネッサンスが起こったといわれます。

というのも、それまで中世ではキリスト教会が社会の中心です。

ところが、こんな死病の恐怖に見舞われてしまってもなかなか教会は助けになってくれません。

それどころか“免罪符”なんていっぱい発効して売りつけて、信用落ちてしまいますよね。

「だったらキリスト教会からもっと自由に学問やら芸術を追いかけてもいいんじゃないの」

となり、ダ・ヴィンチやらミケランジェロやらコペルニクスなんかが出てくる、というわけです。

この時代ボッカチオというフィレンツェの詩人が『デカメロン』という小説を書いております。

この話は何とも特徴的で、主人公らはペストを避けるために郊外ににげてきた男女10人です。

彼らは恋やだましなどの「たあいない話」を延々語り合います。

もはやそこにはキリスト教によるストイックな雰囲気からは解放されております。

人間というものは苦しい時ほどがんばって新しい境地を切り開いてゆきます。

このケースはそれを鮮やかに示しております。

もちろん、キリスト教の本来素晴らしい部分はやはり素晴らしくあり、また、ルネッサンスによって失われたものもたくさんあるはずであることをたしかめつつ。

 

スペイン風邪の大流行

歴史上人類にとってものすごい脅威(きょうい)となった疫病に1918年ごろにはやったスペイン風邪があります。

インフルエンザの一種です。

「なんだ、インフルエンザか」

となめてはいけません。

この時スペイン風邪による死亡者は全世界で5000万~1億人

当時行われていた第1次世界大戦によるすべての死者1500万人をはるかに上回っております。

いや、スペイン風邪の流行がひどすぎるので第1次世界大戦が続行不能になったとすらいわれております(第1次世界大戦の終結は1918年の11月)。

 

きょうのまとめ

今はかなり医学が進歩して、疫病への対策が充実してきております。

しかし、近年でも鳥インフルエンザや豚インフルエンザ、西ナイルウィルスなど、いろんなおそろしい伝染病がどこからともなく起こって世間をたびたびさわがします。

疫病というものは人間の暮らしとは切っても切り離せません。

古くからの疫病と人間のかかわりあいを調べるのもまた歴史の重要な意義であります。

① ユスティニアヌス帝時代ペストが大流行し、東ローマ帝国は深刻なダメージを受けた

② 14世紀のペスト大流行が反動となってルネッサンスが起こったといわえる

③ 20世紀初頭のスペイン風邪大流行により第1次世界大戦が早く終わったといわれる

 

ユスティニアヌスについての【完全版まとめ】はこちらをどうぞ。
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