とっても合理主義に忠実に生きたプロシア(今のドイツのもとになった国のひとつ)の英雄フリードリヒ2世。
これぞまさしく、啓蒙専制君主!
啓蒙専制君主というこの素晴らしくいかめしい言葉は世界史を勉強する時、絶対に避けられません。
意味がなんなのかおさえておきたいならば、今こそ必見です。
答えはこの名言(迷言?)集にあふれまくっています。
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フリードリヒ2世名言4選
君主は国家第一のしもべである
従僕とは“しもべ”のことです。
啓蒙専制君主の代表といわれるほどのフリードリヒ2世。
じゃあ、「啓蒙専制君主とはなんなのか」というのをよく表した言葉です。
もともとプロシアという国は、イギリスやフランスに比べて“近代化”がおくれている国とされていました。
そこで、「彼らに追いつき、追い越せ」と始めた方法があります。
<王権神授説>
そのころ「国王は神に選ばれた者」。
つまり、国王とはあらゆる国民よりも法律よりもえらいんです。
特別なんです。
これを「王権神授説」といいます。
<啓蒙専制君主>
しかし、フリードリヒ2世はちがいます。
法律は国王もあらゆる国民と等しい立場で守りましょう。
そして、国王みずからが「近代化」とはなんなのかをみんなに示しましょう。
ただし、国王はそのほかの絶対的な権力はガッチリにぎらせてもらうよ。
啓蒙専制君主とはこういうことです。
フリードリヒ2世はこの新しくも合理的なやり方で、プロシアをとても強い国に変えてゆきます。
正義こそ君主の……
正義こそ君主の主たる目標
出典: wikipedia『マキャベリ論駁』より
フリードリヒ2世は「哲人皇帝」と呼ばれるほどに哲学に大変な興味を持ちました。
当時を代表するフランスの哲学者ヴォルテールとは若いうちから文通を交わしておりました。
今風に言えば、メル友、あるいは、SNS友達といったところです。
そんなフリードリヒ2世が書いた論文に書いたこの一言。
なんてかっちょいいのでしょう。
が、このおっさん、ほどなくして第一次シュレジエン戦争をおっぱじめました。
やりかたがものすごいです。
もともとおとなりのオーストリアにはカール6世という王様がおりました。
ところが、男の子に恵まれず、長女のマリア・テレジアに王様のポストを継がせることにします。
そこで、ほかの国々に「ということなので、OKしてもらえる?」と説いて回りました。
その時、プロシアはオーストリアにちゃんとOKを出しております。
ところが、カール6世が亡くなったとたん、フリードリヒ2世はオーストリアに攻め込んじゃいます。
ほかの国々と寄ってたかって。
シュレジエン(今のポーランド南西部からチェコ東北部)を占領してしまいました。
これではさすがにヴォルテールから「言ってることと真逆じゃねーか!」とばかりに批難されてしまいます。
つまりこの節の名言はただしく“迷言”です。
すべての人間はおのれのうちに……
出典: https://sekihi.net/writers/1102
「いや、あなたです」
とつっこんでしまうのは私だけ……?
ていうか、フリードリヒ2世は“国”のための最善の選択を果たしたんですね。
おかげで国は強く豊かになりました。
ただ、その後のドイツや世界の歴史は……(ナポレオン戦争・帝国主義・第一次世界大戦・第二次世界大戦・米ソ冷戦・現代世界情勢)。
犬どもよ……
出典: wikipediaフリードリヒ2世
七年戦争で自軍が不利な時、旗を手に取り、放った言葉です。
フリードリヒ2世は軍人・官庁役人の最下級から仕事を経験したことがあります。(『西洋英傑伝』著・是本信義/学研M文庫より)
戦場では兵隊のひざ枕で寝たり、傷ついた兵隊にハンカチを差し出したりしています。
そのため、味方の身分分けへだてなく、大変な人気がありました。
きょうのまとめ
フリードリヒ2世は晩年人間不信になっていきましたが、「いや、こっちがあなたに対してだ!」と突っ込みたくなる人は今もむかしも大勢おられるでしょう。
まあ、この素晴らしく合理主義な考え方がプロシアに寒い気候でもよく育つじゃがいもを広め、今もドイツの国民食材となっております。
彼のプロシアは統一ドイツの礎(いしづえ)にもなりましたしね。
① 啓蒙専制君主とは国家第一のしもべである
② 啓蒙専制君主とは徹底的に合理的であらねばならない
③ 啓蒙専制君主とは国家のために模範を示せ
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出典: wikipedia『マキャベリ論駁』より