哲学者カント先生の名言

イマヌエル・カント

 

18世紀に活躍したドイツの哲学者、

カント

東プロイセン王国のケーニヒスベルク(現在はロシアのカリーニングラード)

で生まれ、その生涯のほとんどをこの地で暮らした彼は、

批判哲学を提唱し、後にドイツ古典主義哲学の祖と呼ばれるようになりました。

そんなカントは、一体どんな言葉を遺しているのでしょうか。

今回は、彼が遺した名言からその思想を探っていきましょう。

 

哲学者カントの名言

イマヌエル・カント

イマヌエル・カント

ここでは、カントが「人間」や「自由」について

どのように考えていたのかが分かる名言をご紹介していきます。

自由とは

カント
互いに自由を妨げない範囲において、我が自由を拡張すること、

これが自由の法則である。

哲学者として教壇に立ち、その生涯を過ごしたカントは独自の自由論を唱え、

その考えを後世に遺しています。

彼曰く「自由」とは、自分以外の人の存在も互いに尊重したうえで、

いかに謳歌するかが大切になってくるのです。

人と人

カント
友情関係は同等関係である。

どちらか一方が主導権を握り、片方はいつもそれに付き従う。

性格の違いなどからこういった関係が心地よいと思う人は、実は意外と多いはず。

当人たちが互いをよく知り、尊重した上に成り立つものであれば、

それは友情の一つのかたちになるのでしょう。

しかしこういった関係は、主従関係や依存関係にもなりかねません。

本来の友情とは、同等な関係である。

シンプルですが、人間関係に悩む現代人は覚えておきたい名言です。

「善い行い」の使い方

カント
善行はこれを他人に施すものではない。

これを持って自分自身の義務を済ますのである。

善い行いとは何か考えたとき、

人に親切にしてあげる、困っている人を助けてあげる、というように、

他人に対して「何かしてあげる」という捉え方をすることがあります。

しかしカントは、これらは人に施すのではなく、

自分自身の義務として果たすべきものと考えていました。

実際にカントは、彼の家を訪れる旅人や客人たちに当たり前のように親切にし、

そのもてなしは、少々神経質なくらいでした。

この名言からは、カントの真面目な性格をうかがい知ることができます。

人間とは

カント
我は孤独である。我は自由である。我は我自らの王である。

人間とは、本来一人で生まれ、一人で死んでいく生き物です。

そういった意味で誰しもが孤独であり、それ故に自由であり、

自分という人間の支配者になります。

孤独を不安に感じ、何かすがるものを探すのか、

自由を自覚し、自らの行く末を模索しながら自立するのか、

はたまた、その両方を上手く取り入れた道に進むのか。

孤独と自由をどう活かすかは、あなたという王の采配次第なのです。

 

カント その他の名言

ここでは、カントの人柄が垣間見えるような名言をご紹介していきます。

哲学とは

カント
哲学は学べない。学べるのは哲学することだけである。

自らが哲学者だったカント。

この言葉は、彼の考える哲学とは何かということが分かる名言です。

哲学は学ぶものではなく、絶え間ない思考の連続なのです。

未熟さとは

カント
未熟さとは、他人の指導なしでは自分の知性を使うことができないということです。

「未熟」とは結局どういう状態なのか知りたくなったとき、

または誰かに言われてしまったとき、

この名言を覚えておくと、ハッとすることでしょう。

考えが足りない、という言葉でも表せそうですが、

カントが言うには、他人に促されてしまった地点でそれはもう未熟さの表れなのです。

自然賛美

カント
崇高なものは我々を感動させ、美しいものは我々を魅了する。

森は夜崇高であり、昼美しい。

崇高なものは、気高く偉大であり我々を感動させるものである。

美しいものは、我々の心を惹きつけ魅了するものである。

どちらも人の心を揺さぶるときの表現を別の言葉で表していますが、

カントはその例を、森の夜と昼の姿で表現しました。

森をどう捉えるかは各々の感受性にゆだねられることですが、

このような微妙な違いを深く考え表現した名言は、

とても哲学者らしいところです。

 

きょうのまとめ

今回はドイツの哲学者、カントが遺した名言をご紹介してきました。

何か心に響くものはあったでしょうか。

最後に、ご紹介した名言の内容を簡単にまとめると

① 自由の法則は、互いにそれを妨げない範囲で拡張すること。人は孤独であるが故に自由であり、自らの王である。

② 友情関係とは同等関係のことを示す。どちらかに天秤が傾けば、それは主従関係や依存関係になりかねない。

③ 善行とは、他人に何かしてあげるものではなく、自分自身の義務として果たすものである。

④ 哲学は、学べない。学べるのは哲学することだけである。

⑤ 未熟さとは、他人の指導なしでは自分の知性を使うことができないということ。

⑥ 崇高なものは我々を感動させ、美しいものは我々を魅了する。森は夜崇高であり、昼美しい。

カントは、他にも様々な名言を遺しています。

気になった方はお時間のあるときにでもぜひ調べてみて下さい。

より彼の人間性やその人物像に迫れるはずです。

 

カントの年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「カントとはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」

 

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