それまでの常識がまったくひっくり返ってしまうことを“コペルニクス的転回”といいます。
ちなみにこの言葉を作ったのは哲学界の革命児カントであります。
現代社会や倫理を勉強するなら絶対に出てくる名前ですよ。
もちろん世界史でも。
それまでの常識“天動説”を否定し“地動説”を唱えた“近代科学の父”とも呼ばれる
コペルニクス。
あくまで誠実を目指した彼らしい“常識をひっくり返す”名言をぜひチェックです!
コペルニクス名言集3選
まず意見から誠実に
当時は聖書に書かれている天動説(地球を中心にして太陽が回っている、という説。)が当たり前でした。
そんな常識に真っ向から反抗することは大変なリスクがありました。
コペルニクスだって最初から「どうだこれは!」と力強く自説の地動説(太陽を中心にして地球が回っている、という説。)を発表したわけではありません。
このあまりにも目新しすぎる説を発表して、世の中にどういう影響をあたえてしまうだろう、ととても心配しておりました。
そこへゲオルク・レティクスという若い学者が訪ねてきます。
レティクスはコペルニクスに地動説を教わり、とても感動。
そして、弟子入りをもお願いし、レティクスはコペルニクスの一生でただ一人の弟子となりました。
そんなレティクスがコペルニクスに勧めたこと、それは……。
「地動説の原稿をまとめてぜひ出版を!」
ついにコペルニクスも「じゃ」とばかりに決心。出版に向けてふみきります。
しかし、コペルニクスは間もなくして脳卒中に。
思うように体が動かなくなり、さらに発作が重なり、70才で亡くなることとなってしまいました。
ちょうど出版物として出来上がって間もない“それ”を自分の目にすることができたかどうか。
この世紀の著作『天体の回転について』はその後の歴史を大いに変えることになるのです。
まさに“コペルニクス的転回”です。
次に行動
出典: https://www.a-inquiry.com/ijin/copernicus.html
思弁とは考えや意見です。
つまり
「考えや口ばかりでなく行動がともなわないと意味がないよ」
と言っております。
コペルニクスは実に万能です。
科学者だけでなく、医者、聖職者、経済役人、……。
法律を勉強してもおりましたし、実際の戦争に参加してもおります。
そんなコペルニクスがギリシャ語を勉強しようとして、あるギリシャ人による何百年前の古い手紙をラテン語に訳そうとしました。
それはこんな内容です。
「教訓。
お前は口ばっかりで行動がともなっていないな。
お前はうまくしゃべれるように気取っているのかもしれないが、芸術家に比べれば全然だ。
ならちゃんと言うことに責任を取れるようにならないと。
うそつきあつかいされてヒッデー目にあうぞ。」
これが神の創った世界の広さだ!
出典: 『誰も読まなかったコペルニクス』著・オーウェン・ギンガリッチ/早川書房
それまで唱えられていた天動説というのはそもそもかなり無理がありました。
天体観測をしていると、惑星の動きが明らかに不自然だったからです。
逆走したり、速かったり、遅かったり、変な丸を描いたり……。
神は何を思って惑星の動きをこんなにややこしくしたの?
不思議に思うのが当たり前。
でも、それが神のおぼしめし、と言われちゃあ仕方がありません。
とならなかったのがコペルニクスです。
彼はいろいろ研究しているうちにピーーン!とひらめいてしまいました。
太陽を真ん中にしてしまえば、惑星の動きがなんだかみんなきれいにほぼ円形になるじゃないですか。
これぞ神のなせるわざ!
と思ったことでしょう。
ただ、世の中そんなに簡単に「はい。そうですか」とはなりません。
カトリック教会はまさにこの名言をこそ挑発的とみなし、そこだけデリートするよう、世に命じております。
きょうのまとめ
「悪貨は良貨を駆逐する」ということわざを知っておりますか。
まったくおんなじ価値のお金でも“いいやつ”と“悪いやつ”があったとしたら、“いいやつ”を人々は貯めこんで、“悪いやつ”ばかりが世の中に出回る、ということを表しております。
だって、同じ500円でもあなたが“希少価値の高い岩倉具視プリントのお札”と“どこでもよく見かけるコイン・タイプ”を持っていたらどちらを先に使いますか。
コペルニクスは経済の役人として世界で初めてこの法則を見つけた人と言われております。
① コペルニクスの誠実さは“まず意見から”
② コペルニクスの誠実さは“そして行動”
③ コペルニクスは迷信よりも真実の神を信じようとした
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出典: 『誰かに伝えたい!勇気が湧いてくる科学者の言葉1』監修・海部宣男/金の星社