李白とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】

 

ふつう私たち人間というものは世の中におけるポジションというものに追われて生きております。

勉強の成績、試合の結果、クラスや部活でのあつかわれ方、モテ方、……。

しかし、「そういったものから解き放たれたい」という並外れた願望。

作る詩は自由でのびのび、深みのある情感にあふれ、今も世界中たくさんの人々に愛され続けております。

“詩仙(詩の仙人)”と呼ばれた李白の生きざまを追ってみましょう。

 

李白はどんな人

プロフィール
李白

出典:Wikipedia

  • 出身地:不明
  • 生年月日:701年
  • 死亡年月日:762年10月22日
  • 唐時代を代表する詩人。“詩仙”と呼ばれる。

 

李白の年表

年表

701年(0才)李白生まれる

732年(31才)初の結婚

742年(41才)玄宗に仕える

744年(43才)長安を離れる

757年(56才)反乱に巻き込まれて獄につながれ、後に流刑

759年(58才)罪を許され解放

762年(61才)李白亡くなる

 

李白の生涯

自由すぎる生い立ち

20才ごろ、李白は実家を出て、山中に住んでいる隠者のもとへといっしょに暮らしにゆきました。

町には全然足を運ばず、森の中で鳥たちとたわむれたりしておりました。

また、任侠(硬派ヤンキー)もやっていて、剣で数人をつらぬいた、という話が残っております。

 

ナゾの金回り

李白は

「14才のころにはすでにだれか高貴な人がパトロン(援助者)になってくれるのを望んでいた」

と書き残しております。

唐の繁栄のころでしたので時代も感じます。

李白はいつどこへともなく放浪。

また放浪。

そして放浪。

「お金にこまっている貴公子がいたからたっぷり援助してやったよ。俺は金には興味ないからね」

このころの李白のお金がどこからいて出てくるのかはわかりません。

 

普通人失格

面接に行ってもマナーをわきまえません。

不合格になりますが、あまり細かいことは気にかけなかったようです。

そのうちなぜか元宰相の孫娘と結婚。

どこに行っても面接に通らないので、しばらくは奥さんの実家に居候しておりました。

 

玄宗皇帝お抱え詩人

そして、気付けばまた転転転……。

仙人のようだけれど、真正仙人にはなれないのですね。

とうとう長安の都にたどり着き、玄宗皇帝お抱えの詩人グループの一人に加えてもらいました。

このころには楊貴妃の美しさを牡丹ぼたんに例える清平調詞という歌を詠んでおります。

彼の実力からすればいまいちの出来です。

営業用だったですかね。

どうも李白に世間的なことを詠ませるとつまらないです。

そのうち、自由奔放すぎる彼はここでも人間関係にもめ、やっていけなくなります。

 

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李白、引きこもる

やがて世では安史の乱が起こります。

李白はこれにかなりショックを受けたのでしょう。

「私のやってきた文学的素養なんて世の中のなんの役にも立たなかった」

と嘆いております。

このころ詠んだ歌が『白髪三千丈』という漢詩。

苦労の末に若くして髪が真っ白になってしまったことをうたっております。

結婚を4回、朝廷というものも覚えました。

あれだけ自由に恋焦がれてきたのに、現実世界にドンドンもまれ、そのギャップに大いにさいなまれるようになってゆきました。

それでも詩作だけは、と一途な思いでやってきたものすらうち砕かれた絶望。

とうとう李白は険しい廬山に引きこもります。

 

李白、捕まる

ところが、ふと、玄宗の子どもたちの一人李璘に招かれました。

李白は年56。

当時としてはだいぶ高齢です。

李白は廬山から出てゆきます。

そして李璘の家来にむかえられると大変です。

李璘は唐王朝から独立の動きを示します。

結局、李璘の計画は失敗に終わり、李白も一味として捕まってしまいました。

そして、李白は牢屋に入れられ、やっとちゃんと解放してもらったのが、白帝城(※)付近です。

(※)長江中流域沿いにある城。かつて三国志の劉備が最期を迎えた場所としても有名。

この時の歌は「早発白帝城」として漢詩に詠まれ、李白の代表句のひとつです。

そう思って読むとまた味わいが変わってくるでしょう。

「早発白帝城」についてはこちらの記事に記しております。

 

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李白の死と月

解放されてからも李白は各地を転々。

その最後は、夜、船に乗って酒に酔い、水上に浮かんだ月があまりに美しいので、とらえようとしておぼれ死んだといわれます。

 

きょうのまとめ

① 李白は若いころから“自由になりたい”という願望がものすごかった

② 李白は次第に世間ずれしてゆき、自分の自由さとのギャップに苦しむようになっていった

③ 李白は船上で酒に酔い、月をとらえようとしておぼれ死んだ、と伝わる

浮生夢のごとし(人生ははかない夢のようです)/李白。

 

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