“草食系男子”という言葉があります。
年頃ですが、女性に興味がわきません。
しかし、歴史にはそんな“草食系男子”のフロンティアのような人たちが結構いっぱいおります。
特に彼の場合、女性にあまり恵まれてなかったのでしょうか。
というより、当時世界の女子力大同盟によりこの英雄はフルボッコのピンチです!!
そのボスはオーストリアの女帝マリア・テレジア。
ますますトラウマになったでしょうか。
女性には草食だけれど、国家のためなら爆肉食!
この記事の主役はドイツで一番の啓蒙専制君主(※)、プロシア王フリードリヒ2世であります。
(※)国の近代化を目指しながら、とても力強い権力でふるまった王様・女王様・皇帝・女帝。
3枚のペチコート作戦
フリードリヒ2世は女性に本当に興味がないです。奥さんのエリーザベトさんは結構な美人さん。
夫の気を引こうと一生けんめい。
しかし、当のフリードリヒ2世は……。
すると、彼の裏で美女3人がひそひそと陰謀をめぐらせています。
マリアテレジア
「フリードリヒ2世とかいう、国と結婚したプロシア男には気を付けなさい。あのみにくい“ご近所さん”は“妻”がけしかけさえすれば、何でもする男です。事実、シュレジエン(今のポーランド南西部からチェコ北東部)はヤツに盗み取られました。」
ポンパドゥール夫人
「おっしゃる通りです。(フランス国王ルイ15世)陛下にはしっかりとお話を伝えさせていただかなくてわ」
エリザヴェータ
「まぜていただけませんかしら?わたくし、あの男のことを考えるだけでむしずが走りますの」
ポ:ポンパドゥール夫人。フランス国王ルイ15世の愛人。フランスの「影の実力者」です。
エ:エリザヴェータ。ロシア女帝。フリードリヒ2世のことがとにかくきらいです。
そこで彼女たちはとんでもない大技に出ます。
オーストリア、フランス、ロシアの大同盟。
その名も「3枚のペチコート作戦」です。
ちなみに、ペチコートとは女性がスカートの下に履く下着の一種です。
フリードリヒ2世の裏切り
大ピンチです。フリードリヒ2世。
まあ一応言っときますが、こうなるそもそもの原因はこの人自身が作っているんです。
もともとオーストリアの先代王カール6世があんまり後継ぎの男の子ができないもんだから「次の後継ぎは長女のマリア・テレジアでいいよね」って周りの列強に言ってきかせていたのです。
その時プロシアはオーストリアにOKを出しました。
ところが、カール6世が亡くなったとたんです。
フリードリヒ2世は「女が継ぐなんておかしくね?」と強引にこじつけます。
ついでにほかの列強とグルになり、攻め込んでシュレジエン地方を占領してしまいました。
七年戦争
オーストリア女帝マリア・テレジア、怒りが収まりません。
さあ、今こそ「ペチコート作戦」発動の時です。
「女子力を思い知れ!」
列強3国に一気に攻めたてられると、さすがのフリードリヒ2世も苦しすぎます。
ドンドン追いこまれて、ついには自殺しようとします。
ところが、ちょうどそんなころ、ロシアのエリザヴェータが死亡。
その跡をフリードリヒ2世の熱烈なファンであるピョートル3世が継ぎます。
ピョートル3世は尊敬してあまりあるフリードリヒ2世とさっそく講和。
フリードリヒ2世は盛り返し、シュレジエンをふくめた国土を守りぬきました。
これを七年戦争と言います。
フリードリヒ2世とマリア・テレジアの縁談話
フリードリヒ2世とマリア・テレジアといえば激しいライバル関係。
ところが、そんな二人に「結婚しようか」という話がもちあがったことがありました。
フリードリヒ2世がプロシア王に即位するよりもまだ前のことです。
結局はお流れになってしまいましたが。
結婚してたらその後のヨーロッパの勢力図はどうなっていたのでしょう。
きょうのまとめ
フリードリヒ2世は“かなりの草食系”なので、子どもが一人も確認されません。
これに対してマリア・テレジアは16人。
私が知る歴史有名人女性の中で一番の子沢山です。
そして、マリア・テレジアは夫フランツにとても一途。
フランツに先立たれると、自分が亡くなるまでずっと喪服で過ごしました。
フ2「君、失礼だね。私も一途だよ。(“妻”に)」
失礼いたしました。
① フリードリヒ2世をぶちかまそうとマリア・テレジア、ポンパドゥール夫人、エリザヴェータが手を結んだ
② フリードリヒ2世は女子三人同盟にあやうく自殺させられるところまで追い込まれた
③ フリードリヒ2世とマリア・テレジアは結婚する話が持ち上がったことがある
フ2、愛犬のグレイハウンドたちをなでながら
フ2「やっぱお前たちみたいなやつがいいや」
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