19世紀後半にロシアで活躍した文豪、
ドストエフスキー。
現代でも世界中に多くの愛読者を持つ一方で、名前は知っているけれど読んだことはない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ドストエフスキーの代表作や初期の作品など、厳選して7つのおすすめ作品をご紹介していきます。
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ドストエフスキーおすすめ作品 part1
ドストエフスキー
出典:Wikipedia
ここでは、ドストエフスキーの代表作と言える「五大長編」をご紹介していきます。
『罪と罰』
まず初めにおすすめしたいのは、「五大長編」のなかでも特に評価と知名度の高い『罪と罰』です。
本作は、「ロシア報知」という雑誌で1866年に連載されその後単行本化されました。
・貧困に苦しむ娼婦の徹底した自己犠牲による家族愛
など、当時ロシアに広まり始めていた社会主義思想へ訴えかける、哲学的かつ思想的な小説です。
その一方で、主人公と判事の繰り広げる論戦には、推理小説のような巧妙さがあります。
『白痴』
次におすすめしたい作品は『白痴』です。
本作も先にご紹介した『罪と罰』と同じく、「ロシア報知」に連載された作品です。
病気の為、長期にわたって療養所で過ごした主人公。
彼は善良な心を持ちまっさらな状態で俗にまみれた社会に復帰します。
そしてその世間とズレている感覚によって彼は、恋愛要素を含む騒動を巻き起こすのです。
本作は、同じくロシアの文豪トルストイに
と言わせたほどの傑作です。
『悪霊』
次におすすめするのは『悪霊』。
登場人物たちがそれぞれ何かしらの思想的なテーマと結びつき、もれなく全員がバッドエンドを迎える本作。
その憑りつかれたかのような様は、まさしくタイトルにふさわしいものとなっています。
それぞれが抱える思想的テーマは主に、
・無神論
・社会革命
・無政府主義
などで、いずれも当時のロシア社会とは切り離せないものです。
哀しい結末を見届けた後は、きっと深く考え込んでしまうことでしょう。
『未成年』
次におすすめするのは、「五大長編」のなかでも隠れた名作とされている『未成年』。
実は、本作に対する評価は賛否両論あります。
というのも、ドストエフスキーは「五大長編」のなかで唯一この小説だけ、主人公の一人称で物語を展開しているのです。
内容も、主人公の周囲で起こる出来事を彼のフィルターを通して読者は体感していくことになります。
そのため、状況がよく分からなかったり難しいと感じる読者は多いのです。
本作に挑戦してみようと思う方はぜひ、主人公のアルカージイになったつもりで、彼に染まってみて下さい。
あるいは、そばで見守るようなつもりで話を聞いてあげて下さい。
『カラマーゾフの兄弟』
「五大長編」の中で最後におすすめするのは、『カラマーゾフの兄弟』です。
本作はドストエフスキーの生前最後の作品であり、未完ながら世界中の読者によって現代まで読み継がれてきた名作です。
それぞれの個性が際立っているカラマーゾフ一家を巡る、サスペンスが中心となった本作。
父親を殺害した犯人が誰なのか、その真犯人を追求していく過程で見られる深い思想の数々とコミカルなやり取りに、読者はぐっと引き寄せられます。
ドストエフスキーおすすめ作品 part2
代表作なのは分かったけれど、いきなり「五大長編」は敷居が高いと思った方へ。
ここでは、「五大長編」よりもう少し軽く読めるドストエフスキーのおすすめ作品をご紹介していきます。
『白夜』
ロマンチックで切ない短編小説、『白夜』。
本作は、「五大長編」の人間の闇に迫るような重く深刻なテーマとは打って変わって、孤独な少年と一人の少女が織りなす幻想的な恋愛物語です。
白夜のサンクトペテルブルクを舞台に展開していく物語は、可憐で美しく感傷的な余韻を読者にもたらします。
『貧しき人々』
今回最後にご紹介するドストエフスキーのおすすめ作品は、『貧しき人々』。
彼が25歳のときに発表したデビュー作です。
構成は、登場人物たちの手紙のやり取りによって物語が展開していく往復書簡体形式で、読者はその手紙の内容から物語を把握していきます。
約半年にわたり貧しき2人の主人公がそれぞれの周囲の出来事などを手紙でやり取りし、やがて救いのない悲しい結末を迎えます。
本作は批評家や雑誌編集者たちから注目され、高く評価されました。
きょうのまとめ
今回は、ロシアの文豪ドストエフスキーの著作の中から、おすすめを7作ご紹介しました。
あなたの知的好奇心をくすぐる作品はありましたか。
最後に、今回の内容を簡単にまとめると
① ドストエフスキーの著作には、「五大長編」と言われる人気や評価の高い長編作品が5作ある。
② ドストエフスキーの著作は重く深刻なテーマが多いが、なかには幻想的で儚く美しいものもある。
③ ドストエフスキー作品の容赦なく報われない結末の傾向は、デビュー作の地点で既に完成していた。
今までドストエフスキーは難しそうでなかなか読む気になれなかったという人は、これを機にぜひ一冊手に取ってみて下さい。
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