「自然」を愛した芸術家 オーギュスト・ロダンの名言

 

『地獄の門』『考える人』など、青銅彫刻で有名な19世紀のフランス人彫刻家、

オーギュスト・ロダン

「自然」というキーワードを大切に活動していた彼は、

語る言葉にもそれを感じさせる芸術論を遺しています。

今回は、彼が遺した名言からその思想を覗いてみましょう。

 

オーギュスト・ロダンの名言 ~自然讃歌と芸術論~

オーギュスト・ロダン

オーギュスト・ロダン
出典:Wikipedia

ここでは、オーギュスト・ロダンの芸術家人生において密接な関係にあった、

「自然」に関して述べた名言をご紹介します。

自然讃歌 その1

芸術家にとって、自然の中で醜いものは何もない。

この一言で、ロダンがどれだけ自然を大切に思っていたかが分かります。

彼の言う「自然」には、緑や花々のことだけでなく、「自然体」という意味が含まれています。

自然讃歌 その2

自然は至上の建築家である。自然の一切は最も美しい釣り合いを持って建てられている。

ロダンにとって自然はそのものが「美」であり、

自然こそが美の根源であると考えていました。

自然讃歌 その3

自然は常に完全である。決して間違わない。間違いは我々の視点の方にある。

自然を完全な存在であると考えていればこそ、

その正しい捉え方は人間に委ねられているというわけです。

自然と芸術 その1

芸術というものは自然の研究に過ぎない。自然。何もかもそこにある。

つまり自然を深く感じることで、

芸術作品へのインスピレーションも湧いてくるのです。

自然と芸術 その2

芸術とは自然が人間に映ったもの。大事なことは鏡を磨くことだ。

ただしロダンは、自然をただ模写するだけでは芸術にはならない、とも語っています。

彼の彫刻作品にしばしばみられる人物の不自然なポーズは、

自然を誇張していると捉えることができます。

しかし本人いわく、それはその自然に「見入った」証なのです。

刻々と移り行く自然を注意深く観察し、その一瞬、わずかに表れた「生命」を捉え、

それを表現したものが芸術作品と呼べるものになります。

ちなみに、以下の名言ではロダンの考える「生命」について語っています。

何を生命と呼ぶか。
それはあらゆる意味からあなたを激動させるもの。
あなたを突き貫くもののことだ。

自然と芸術 その3

芸術とは自然に足を踏み入れ、そこにも魂があることを発見する精神の喜びである。

ひとつ前の名言を踏まえた上でこの名言を解釈すると、

自然を芸術に昇華するには、よく見えるように自分自身という鏡を磨き、

自然の中にある「生命」や「魂」を感じること。

この魂を感じることができると、ただの自然模写ではない本物の芸術が生まれるのだと、

ロダンは考えていました。

 

今を生きる人々へ ~芸術家からのアドバイス~

ここからは、オーギュスト・ロダンの語る、

芸術家目線での人生のアドバイスをご紹介します。

誰もが芸術家になれる

芸術家とは、自分のやっていることに喜びを覚える人のこと。
だから全ての職業に芸術家がいるのが望ましいのだ。

アート作品を生み出す人だけが芸術家ではありません。

自分の仕事に誇りを持ち、積極的に関わっていける人は、

その分野でのアーティストなのです。

見て、感じて、人生をより豊かに

見ることと感じることを知る者は、至る所に常に賛美すべきものを見出すだろう。

芸術論に関する名言でも出てきた、「見ること」と「感じること」。

なにも芸術家に限った話ではなく、人類すべてに言える普遍的な考えです。

何気なく過ごす日々のなかで、発見し、感じるものが多い程、

その人生はより鮮やかに彩られ、豊かさに満ちていきます。

耐えているということは行動しているということ

忍耐もまた行動の一つの形態だ。

人生は、前に進もうとするたび様々な障壁に阻まれて思うようにいきません。

それでも一度、あなたが壊れない程度に耐えてみて下さい。

じっと耐えて、その壁を越えようとしている努力が行動している証なのです。

経験を、生かすか殺すかはあなた次第

経験を賢く活かすならば、何事も無駄ではない。

過去の出来事を後悔し続けても何の解決にもなりません。

ひとしきり落ち込んだら、それをどのように今後につなげるか考えてみましょう。

或いはその必要に迫られたとき、ふいにあの時の経験が役に立つかもしれません。

一見無駄に思えるような経験も、あなたのその後の行動次第で生きた財産に代わりうるのです。

 

きょうのまとめ

今回は、19世紀を代表するフランス人彫刻家、

オーギュスト・ロダンの名言をご紹介しました。

いかがでしたでしょうか。

名言の内容を簡単にまとめると

① 芸術とは、自然を見つめその中にある「生命」や「魂」を表現することである。

② 自然を的確に捉えられるよう、自分自身という鏡をよく磨くことが大切である。芸術家に限らず、見ることと感じることができる人ほど、その人生は豊かになる。

③ 忍耐も一つの行動であり、経験を賢く活かせば無駄なことなど一つもない。

オーギュスト・ロダンは他にも奥深い名言を多く遺しています。

興味を持たれた方は、ぜひ調べてみて下さい。

作品を鑑賞する際、作者の思想を知ったうえで作品に向き合うと、

そこに表れた作者自身の姿を見つけることができるかもしれません。

オーギュスト・ロダンの年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「オーギュスト・ロダンとはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」

 

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