「諸君、われらの敵であるこれらの住民たちの数に恐れをなしてはならない。神が我らを助け給うであろうから。」
出典:wikipedia フェルディナンド・マゼラン
地球上で最初に世界一周をなしとげた艦隊のリーダー。
それがポルトガル出身の探検家フェルディナンド・マゼランです。
彼と探検をともにした5隻の船。
そのあまりに壮大で過酷な航海の行きついた果てとはいったいどのようなものだったのでしょうか。
そして、上に記された言葉とは。
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大航海時代の流行船3タイプ
キャラック船
1519年8月10日スペイン・セビリヤの港を旅立った5つの船がありました。
いずれもキャラック船。
この時代、流行りの船です。
横から見ればなんだか四角くってワゴン車みたいな感じです。
ビミョーに可愛くて、わりと女子受けのよさそうなフォルム。
底広に造られており、荷物や人はたくさん載せれます。
高潮にも強く、ゆったりとしています。
ただ、速度はおそいです。
小回りも利きません。
ちなみにコロンブス先輩は嫌がっておりました。
コロンブス先輩はかなり
●自分と神をたよって、ええい、一発勝負だ!
な性格です。
コロンブス先輩のお気に入りのタイプはこちら。
<スペイン セビーリャ>
キャラベル船
キャラベル船。
やっぱり時代の流行りです。
シャープなフォルムで、小回りに優れています。
まさに軽自動車タイプ。
川や浅瀬などをスイスイ探索するなら、こちらをおすすめします。
さらに、もうちょっと時代が下ればこんなのもでてきます。
ジャジャーン!
ガレオン船
超特大。
ガレオン船です!
なんか急にトン級トラックみたいになってきました。
ビミョーに黒船っぽいですし。
とっても縦長なので正面からの抵抗を受けず、大きさのわりに速度が出ます。
ただ、横からのあおりにだけは十分注意です。
もちろん、大砲たっぷり搭載可能。
ちなみになんですが、日本で購入いただいたお客さんに伊達政宗という人がおります。
ええ、うわさの。
慶長遣欧使節で部下の支倉常長がヨーロッパへの往復に使いました。
慶長遣欧使節について気になった場合はぜひこちら“支倉常長”の記事を参考にしてください。
さて、マゼランの航海の方に話を戻しましょう。
マゼランの世界一周
マゼランの目標
マゼランの目標は“アメリカ大陸の向こう側”を見つけてくること。
まだこの時代はアメリカ大陸という認識はありません。
アジアの端にある巨大半島だと思われております。
「これを越えれば香辛料の一杯採れるインドやモルッカ諸島にたどりつける」
ということです。
そして、マゼランの言うには
スペイン王室はこの提案に乗ったというわけです。
マゼランの航海
さて、マゼラン艦隊は一気に南米大陸へ。
そして、南へ、南へ。
しかし、途中で部下が反乱。
大航海時代のお約束です。
マゼランは容赦なく反乱者を鎮圧。
すると、見えてきたのが“向こう側”。
ここで「やることはやったな」と引き上げ組も出てきます。
が、マゼランはなおも強行して前に広がる大海へ。
ただ、いつまで経っても陸地らしきは見えてきません。
当然です。
それが太平洋です。
広いんです。
おかげで3カ月半。
船内みんな「メシをくれ……」。
カビ生えたパンでも、帆柱に張り付けた牛革でも、ネズミでも食べられるものは何でも食べます。
やっとたどり着いたと思ったら、グアムの原住民に船内をいっぱい泥棒されます。
そしてフィリピン・マクタン島(当時イスラム教)では強引に、
「(キリスト教に改宗した)セブ島王の言うことを聞け!キリスト教に改宗しろ!」
とせまり、町を焼き払い、勝手に十字架を立ててしまいました。
すると、地元住民が猛反発。
装備ではスペイン軍が圧倒しております。
が、兵数はマクタン島軍1500vsスペイン軍60。
ここでマゼランが放ったのが上の言葉です。
しかし、神はマゼランたちを守らなかったのでしょうか。
あるいは……。
次第に追いこまれたマゼランはここで命を落とします。
その後、なんとか生き延びた一部がスペインへと帰り着き「世界一周」を達成。
しかし、その時の船員はわずかに18名(はじめは約270名)、船もすでにビクトリア号1隻にまでなっておりました。
きょうのまとめ
その後の歴史でフィリピンはスペインの植民地となり、主にキリスト教を信仰するようになりました。
今はマクタン島にもキリスト教の教会が立っています。
ただ一方で、マゼランを倒したラプラプ王の像はマクタン島にすっくと立って天をにらみつけ、その名は市や高級魚の名前にもなって親しまれ続けております。
① 大航海時代流行の船はキャラック船、キャラベル船、ガレオン船
② マゼランの世界一周はあまりに過酷で、マゼラン本人をふくめ、ほとんどの人と船が故郷を踏めなかった
③ マゼランを倒したマクタン島のラプラプ王は地元の英雄
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