芥川龍之介の名作5選|闇が深い…けど教訓がたくさん?

 

明治~大正にかけて、多岐に渡る短編小説を発表した

芥川龍之介あくたがわりゅうのすけ

『羅生門』『蜘蛛の糸』などはたいていの人が一度は目を通す作品ですし、何せ”芥川賞”の名前を聞いたことがない人はいないでしょう。

そうやって死後90年以上が経った今でも、文学界に名をとどろかせ続ける芥川ですが、よくよく考えてみると、『羅生門』や『蜘蛛の糸』以外はあまりピンとこないかも?…という人もまたいるはずです。

それは大正の大文豪の名をもってして、いかにももったいない話。

そこで今回はそんな芥川の作品を5つ厳選して紹介していきます。

一見、ダークで救いのない作風が目立つ彼ですが、それらのなかにも気付きはたくさん隠されていますよ。

芥川龍之介の年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「芥川龍之介とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」

 

芥川龍之介・オススメ作品5選

芥川龍之介

芥川龍之介
出典:Wikipedia

羅生門

国語の教科書にも載っている芥川の代表作です。

京都・平安京の衰退とともにボロボロになり、死体の遺棄場と化した羅生門

その死体からカツラを作って売るためと、毛髪を引き抜く老婆。

終始陰鬱な作風はいかにも芥川節といったところでしょうか。

あらすじはというと、不景気の煽りで職を失った男が、ひとりの老婆とのやり取りを通して、生き抜くために盗人になることを決意するまでの心理描写を描いたものです。

路頭に迷っていた男は、ときに正義感を見せたかと思うと、ひょんなことから悪党へと様変わり。

人間の心持ちというのは、いざとなればこうも簡単に変わってしまうのか…と、考えさせられる、そんな作品です。

芥川は大学在学中、かの夏目漱石が主宰する”木曜会”という作家志望者の集まりに参加するようになりました。

その木曜会にて漱石が芥川の才能を見出し、絶賛したとされる作品が『鼻』です。

物語の主人公は禅智内供ぜんちないぐという、鼻の長さがアゴまで伸びている僧侶。

彼はその異様な鼻のせいで人から笑い者にされていましたが、ある方法を知り、鼻を短くすることに成功します。

しかし鼻が短くなると、それを見た人は長かったときよりもさらにおかしそうにする。

結局人々が内供を見て笑っていたのは、見てくれの問題ではなく、彼に不幸であってほしいから…という結末の話です。

他人の不幸は蜜の味…いかにもその言葉通りの物語ですね。

杜子春

ここまでの2作品はかなりどす黒い内容でしたが、この杜子春とししゅんは芥川作品のなかでもちょっと珍しい、ハッピーエンドになっています。

物語の主人公は両親を早くに亡くし、財産も使い果たしてしまった杜子春という青年。

彼はあるとき途方に暮れていたところ、通りがかりの老人のアドバイスで莫大な富を得ます。

しかし杜子春はそこから何度も散財を繰り返し、そのたびに老人の助けを受けることに…。

そして莫大な富を得て、それをなくして…という経験から、杜子春はある気付きに辿り着きます。

決定打となったのは、老人の導きで亡き母の言葉を聞く機会を得たこと。

最後に杜子春が出した結論とは…?

人の幸せはお金や地位だけでは決まらない。そんな教訓を感じさせられる作品です。

猿蟹合戦

なんと芥川はおとぎ話の猿蟹合戦の続編を書いています。

…が、彼の作風から察するとおり、それはとても子ども向けとはいえない内容。

おとぎ話の猿蟹合戦は、蟹が猿をやっつけ、その後は幸せに暮らしたような雰囲気で終わっていますが、芥川の書いた続編では、蟹はこの後悲劇の道を辿ります。

しかもその結果になってしまった理由がまた、現実的すぎるほど現実的なのです。

そしてその蟹の運命を例に、多くの人がこの蟹と同じような境遇にあるという旨まで…。

つまりいくら正義を振りかざしたところで、報われないことは現実にもたくさんあるということでしょう。

そしてその正義というのも、結局は自分都合の正義でしかない…というようなことも感じさせられます。

やはり子どもに読み聞かせるにはちょっと早いかな…といった感じですね。

河童

芥川が晩年の1927年に書き残した作品。

題名の通り、河童を題材にした物語ですが、登場するのは”妖怪”というおどろおどろしいイメージのものではなく、どこかコミカルで憎めない河童たちです。

あるとき河童の世界に迷い込んでしまった主人公はそのままそこに住むことになり、河童たちのなかで社会生活を営んでいきます。

河童たちの暮らしはどこか人間社会の矛盾を皮肉るような風合いもあるけど、やはり彼らはどこか憎めない。

これだけを聞けば、なんだか子ども向けアニメにでも出てきそうな微笑ましい設定ですが、そこはやはり芥川作品。

主人公が迷い込んだ河童たちの世界は実は…?という、ある種の狂気を思わせるオチが用意されています。

 

きょうのまとめ

芥川龍之介の作品は、『杜子春とししゅん』のように覗いてみるとハッピーエンドで終わるものもたしかにありますが、この物語にしたって、結末に辿り着くまでには人間の醜い部分がたくさん描かれています。

そしてやはりほとんどの作品は、怖いぐらいに闇が深いです。

これは最期に自殺を選んだ彼が、世の中に失望していった心模様がしっかりと刻まれているということでしょうか。

だとすれば、ここまで心に影を落としている人がいったいどのぐらいいるものか…そんな気分にさせられます。

最後に今回の内容をまとめておきましょう。

① 『羅生門』『鼻』は人間の闇を描いた芥川節の作品

② 『杜子春』は数少ないハッピーエンド。お金や地位だけが幸せではないことを教えてくれる

③ 『猿蟹合戦』『河童』はコミカルで読みやすいけど闇が深い

いくら芥川作品の闇が深いといっても、描かれる人物たちの心情を見てハッとさせられるのもまた真実。

人間の欲深さや意地汚さに改めて気づかされる…教訓の多い作品群といえます。

 

その他の人物はこちら

明治時代に活躍した歴史上の人物

関連記事 >>>> 「【明治時代】に活躍したその他の歴史上の人物はこちらをどうぞ。」

時代別 歴史上の人物

関連記事 >>>> 「【時代別】歴史上の人物はこちらをどうぞ。」

 










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

8 + sixteen =